無関心でありたいのにいられない | ナノ


▼ 六年生、応対

「喜八郎から聞いたが、よく考え事をして穴に落ちるそうだな」
「そうですね」
「さっきも落ちていたな」
「そうですね」
「何を考えていたんだ?」
「そうですね」
「…話を聞いているか?」
「そうですね」

聞いているけど答える気はねぇよ。
だから隣にいるけど視線をあわせてないんだよ。
それくらい察しろよ立花のくせに。

「あそこで騒いでいる五人に混ざらないの」
「お前の方が面白そうだからな」

私はお前の玩具じゃねぇ。
目の前で仲良しこよしでバカやってる五人をぼーっと見ながら『混ざってこいよこの野郎』と思っていたが、逆に私がいじられるフラグが立った。

「そもそもお前は他の天女と違うと何となく感じていた」
「そうですか」

唐突だな。
つか何ですかもう私を警戒してませんってか。

「今までの天女は自分が望んで来たとはいえ、環境の変化で一週間程体調を崩すのが常であった」
「そうですか」
「でもお前はそれがなかった。何故かはわかっているんじゃないか?」
「まぁそうですね」

多分諦めが早いから…孤児少年は全てを諦めているみたいって言ったレベルだし。
諦めていれば全部受け入れられる。
だから何もなかったんだと思う。心と身体は繋がっているって言うし。

「今までの天女はそんな死んだ動物の目をしていなかったからな」

いや実際死んでいるし。とか思いつつ、

「失礼だな」

とだけ言っておいた。
つか死んだ動物の目って何だ。銀ちゃんの死んだ魚の目を軽度にしたものか?

ドシュッ

…………。

「…バレーボールをやっても構いませんがこっちに危害を加えないでください」








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