▼ Re:保健委員会
「失礼し…ます」
中にいるのは善法寺少年だけだった。
よかった。
「あ！多上さんあなた誤解して…！」
「大丈夫ですよ。あなたが食満さんを押し倒していたなんて誰にも言ってませんから」
「違ーう！留さん怪我しているのに起き上がろうとしたから止めてたの！」
「そうですか。今一部のお嬢さんが非常に残念がっていますよ」
「…多上さんは僕に何を求めているの？」
「で、渡せなかった書類です」
「あぁ…うん…」
受け取った。
仕事終了。
あとはここから出るだけ。
「多上さん」
「…何ですか」
「少しお話いいかな」
不機嫌な声で返してしまったが反省はしていない。
これから外行く予定あるんですけど。
丁重にお断りしたいんですけど。
「…『少し』で済むのなら」
それでも断れない私バカァァアアアア!!
じゃあこっち座って、と善法寺少年は自分の隣辺りを指した。
言ってしまったものは仕方ない。素直に従おう。
「本音と建前の乖離って知ってる？」
座った途端、そう善法寺少年が切り出した。
「えぇ、まぁ…」
日本人には多く見られらしいね。
いきなりそんな話どうした。
「それは忍を志す僕達には多く見られるし、
普通の人も、多上さんにもあると思うんだ」
「はぁ…」
で、本題は。
「僕の推測に過ぎないけど多上さんは………」
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