無関心でありたいのにいられない | ナノ


▼ Re:作法委員会

「書類を助けてお前を埋めていいんだな?」

貼り付けた笑みをしていないだけまだいいが、満面の笑みで立花少年がそう言った。
年上に「お前」はねーよ。

休日なのに書類配る理由ってやっぱ殺すためかよ。
というわけで皆さん、正解は学園全体グルでしたー。
呑気にしていられる理由?
生命の危機だけど言ったことは変えられないし、書類は救出してくれるみたいだし。
ってなんかワーカホリックみたいだな。

「あ、じゃあお願いします」

書類の束を上にいる立花少年に差し出すが、受け取らない。
言った事と違ぇぞオイ。
その上フ、と笑ってきやがった。
あ?口悪い?
…笑ってきやがりました!

「この前私にズカズカ言った上に大声で叫んだというのに、今日はずいぶんとしおらしいな」
「あ゛?じゃあお前には特別にこの口調でいてやるよ。
 どうでもいいから書類受け取れ」

ふぅーやれやれという様な明らかな上から目線の溜め息の後、立花少年は片手を差し出し、私の手首を掴んだ。
掴むのそっちじゃなくて書類なんだけど。
とか言う前に地上に引っ張り上げられた。
よく片手で私を持ち上げられたな。結構重いのに。
体重?
女性に年齢と体重を訊くのはマナー違反でさァ。

「…埋めるんじゃなかったの」
「気が変わった」
「…へぇ」

書類だけ受け取ると立花少年は去っていった。
言動はムカつくのに引き際はあっさりだな。

「そういえば」

綾部少年が切り出した。

「委員会皆で叫んだの聞いたって言い「人の黒歴史抉って楽しいかこの野郎」…最後まで聞いてくださーい」

とか言いつつ穴掘ってんじゃねーよ。
話す方も真面目に話す気無いだろ。

「でまあ聞いた時ですね、久しぶりに委員会の皆で笑ったんですよー。
 それ以来委員会の空気も前みたくなってきて」
「ふーん」
「さっきのはその礼みたいなもんじゃないですかねー」

…なんか良い話風にまとまってるけどさ、
私にとっては黒歴史掘り起こされるだけの話なんだけど。

そして出来れば私は君らとノータッチでいたいんだけど。












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