無関心でありたいのにいられない | ナノ


▼ 愛がなければ…

善法寺少年が部屋を出る時、「動いてもいい」と言い、私は朝食を食べに向かった。

私は二日間眠りこけ、目が覚めたのは…というか今は朝だったらしい。
特に変な所なかったのに二日間眠っていたってどういうこと。
いやそれにしても何故あの時動いちゃいけなかったんだ。外で何かやっていたのか?

色々わからな過ぎる。

未だに縄梯子掛けてくれた人わからないし、助けてくれたのが誰かも理由もわからない。
デメリットはあっても私が生きていることでメリットはないはずだ。

…とりあえず飯だ、飯。



ラッシュ帯は過ぎていたようで、食堂にいる人数はさほど多くなかった(いやだからって少ないワケではないけれど)。

二日間眠っていたというのでお腹に優しいものを、と頼んだらお粥が出てきた。おばちゃんマジお母さん。
席についてさあ食べようとしようとしたら神崎少年が富松少年を伴ってやってきた。
富松少年は迷子防止用だろう。
神崎少年が来た理由については大体予想できているが、「何か?」と声をかけた。

「あの…!助けて頂き、ありがとうございます!」

やっぱりか、と思ったが「いえ、ご無事で何よりです」と言っておいた。

話は済んだだろうと思い、一週間過ぎて今までの自分の行動を振り返ってみる。
最近無関心ができていない気がする。
アイツら見てて苛々してた…いや、するし、学園長先生にも沢山身の上話をしちゃったしなぁ…。
いやでも神崎少年は仕方なかっただろう。あのまま死なれちゃ色々アウトだし。
そして何故私が助かっ(略)という疑問に戻る。

このまま神崎少年に訊ければいいんだろうけど変な反応されちゃ面倒だ。
あ、でもこの機会逃したらいつ聞けるかなぁ…。
そういえば二名は立ち去らず、私の横に立っている。

「さっきから何か考えているようですが、どうかされましたか?」
「あ、いえ、私を助けたのは誰でどうして助けたのかなぁーと」

って何素直に答えているんだ自分。絶対不審に思われたよ、助けた理由訊くなんて。
そして考えているの顔に出てたのか。閉心術身につけよ。
不審に思われたと思っていたが、意外なことに神崎少年…ではなく後ろの富松少年が答えてくれた。

「えっと…どうしてかというのはわかりませんが、助けたのは潮江先輩ですよ」
「は、…え、はァ!?」

COA!?ありえんだろアイツ一番最初にサクッて殺りそうな奴じゃん!!
殺す理由はあっても助ける理由は一切無いだろ!?
何も無いじゃん私助けた所で!


…いや、一つ可能性がある。
善法寺少年の時と同じく学園全体グルの場合。
一般人の私には内容などわかりはしないが、何かを企んでいるならこの行動は頷ける。
総合的に見てもこれだろう。
あれだけ天女恨んでるんだ。何やってもおかしくない。
私の予想…上げて落とす作戦
助けてあげたよ!とか味方だよ!と言って舞い上がったところでさよーならァですね、わかります。
殺すんだったら私は大人しく殺されるのにこんなまどろっこしいことを…。







Senza amore, la verità non si vede.

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