▼ 諦めって肝心
前回に引き続き、学園長先生とお話をしている。
「ところで…非常に言いにくいんじゃが…」
「はい?」
未来の道具を見せて欲しいとか?あ、なんかドラ○もんみたい。
でもどっちかっていうと異世界だよな、ここ。
ちなみに私、服以外の私物がない。来る前家にいたから。
「薄々感付いておるじゃろうが…生徒達にお主を使っての課題を出しておる」
「……」
違った。それになんとなく先読めた。
というか前回シリアスで今回もシリアスとか大丈夫か?
メタ発言?気にしちゃいかん。
「その課題を取り消そうと思う」
だと思ったよ。
課題が取り消される事によって何が起こるか?
今まで自重してきたやんちゃ坊主の枷が消えるのだよ。
「…今晩曲者に襲われたら死体の処理は頼みます」
「……怒らぬのか」
「彼らが自分の頭で精一杯考えた結果なら怒りません」
今みたいに、先入観で変な風に思われる上に見知らぬ他人と重ねられるのなんて御免だ。
「それに私、死んでますし。というかこっちが主な理由です」
「お主…それは真か?」
「本当です」
「何があったか…訊いても構わんか」
もう疑問系も使ってないじゃないか。
でもここで生活できているのはこの人のおかげだ。一番の恩人といってもいいだろう。
その人に秘密にしておくなんて筋が通らない。
誰にも言われなければいいか。
「内緒ですよ。
実は………… 」
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