無関心でありたいのにいられない | ナノ


▼ 一日のまとめ

今の私の状況を簡潔に教えよう。

落とし穴。

完全に穴堀小僧・綾部少年のせいだろ。
晩御飯間に合うかなぁ。

いやでもその前に…。

「すみませーん。誰かいませんかー」

これで誰かいたら本当に怒る。
さっきの比にならないくらい怒る。
ので、念入りに確認。

「誰もいないんですかー。誰もいませんかー。



 …よし」

すうっと息を吸い込み、

「ったく何だよアイツら!!見てるだけで苛々する!!
 何アレ思春期の乙女か!!そうじゃなきゃ両片思いのリア充かよ!!
 私をハブるのはわかるけど上級生と下級生!!
 馴れ合いたいんだったらさっさとそうしろよ!!
 私を巻き込むなこの…!ゲホッゲホッ」

叫びました。スカッとしました。
そして貧血気味なの忘れていたので息切れしました。
酸素が足りなくて若干気持ち悪いです。
これはご飯食べずに寝た方がいい気がする。

で、どうやって出よう。
人を呼ぼうにももう声出したくない。…


…仕方ない、ここで寝るか。
別に凍死する様な時期じゃないし、最悪風邪引く程度だし。
貧血で思考しようにもボーっとするし。
同じく貧血原因で凄く眠いし。
よし、寝よ。




どれくらい経った頃かは分からないが、真夜中と呼べる時間帯であろう時間に目が覚めた。
眠る前と同じく穴の中だったが、縄梯子が掛けられていた。
厄介に思うんだったらとっとと殺してくれても構わないのに。私死人だし。
これを置いていく時点で多少の情はあるのだろう。

下手な優しさは後々自分を苦しめるだけだ。
それに気づかないのだろうか。

それにしても、思い出せば私の行動は馬鹿なものだ。
幾ら貧血で思考が浅くなっているとはいえここで寝ようと考えるなど…。
ありがたく縄梯子は使わせてもらうとするよ、少年。
誰かは特定できないが。


 
  


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