無関心でありたいのにいられない | ナノ


▼ 学級委員長委員会の場合

学級委員長委員会って…初めてフルネーム知ったぞ。
つかどこでやってるんだ、そして今日活動してるのか。
ふむ、謎だ。

さっきは都合よく斉藤少年がいてくれたが、そう都合のいいことは連続して起こらないと昔から決まっている。
ま、適当に歩いてて人が来たら訊けばいいや。




ある部屋の前を通ったとき、話し声が聞こえた。
ここで学級…何とかの場所を訊けたらいいんだろうけど、残念ながら私は『天女』だもんな。
いやでもここで訊いちゃったら後々楽だろう。いやいや下級生を怯えさせるわけにはいかん。
いやいやいやそんなの今更だし。いやいやいやいや………。

ど う し ろ と 。
怒るよ?誰にかは分からないけど怒るよ?メーター振り切れるよ?

「あ、じゃあ俺お茶持って来るねー」

立往生していると部屋の障子がスッと開き、うどn…尾浜少年が出てきた。
少年が障子を閉めようとして…ようやく私に気付いた。

「てっ…天女!…様、いつからそこに?」
「…先程からずっと」

君達の会話なんて内容聞こえなかったし、別に興味もないよ。

とか言いたい。

「学級………
 …………各委員会への書類です」

尾浜少年は学級……もういいや、この委員会のはずだ。
名前を覚えられないのは仕方ない。長いんだよ。
尾浜少年に書類を差し出すが、受け取らない。
この委員会のはずだろ、おい。

「部屋の中に三郎がいるのでそちらに渡して下さい」

貼り付けた笑みを浮かべているくせに避けやがったコイツ。
まだ振り切れはしないけどメーターは上がっていくよ?少年。

そして逃げ足だけは速い。もう私の視界の外だ。後で殴りたい。
仕方ないな…。

「すみません。各委員会(略」

と言って投げ込もうとして、やめた。下級生の姿が見えたからだ。
ここで委員会やってんのかよ…。

鉢屋少年に書類を渡した。
よし帰ろう、とした時に鉢屋少年の独り言のつもりだったのかもしれない小さな声が聞こえた。

「…興味のないフリか」
「はぁ?お前達に興味を持つなんざこちらから願い下げだ阿呆。おっとつい本音が……

  …あ、今のは冗談ですよ冗談。気にしないで下さい」

メーター振り切れた。



  

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