01


シャドウ丸に先行するプロトタイプとして作られた、BP-500X。カゲロウ。彼の超AIが海の底へ沈んでしまってから、もう何ヶ月経っただろうか。
季節は夏を過ぎ、秋を過ぎ、冬が来た。私は藤堂主任率いるメカニックチームの一員として、ブレイブポリス達の活躍を間近で見てきた。フォルツォイク親子による世界支配からも、ハイジャス人による精神浄化からも、彼らと彼らに心を与えた勇太くんは私達を救ってくれた。ブレイブポリス達はまさにヒーローだった。皆から喝采を受ける彼らの姿を見るたび、心を失いたくないと叫んだ彼を思い出さずにはいられなかった。

世界がいくらか平穏を取り戻した、そんな冬の日だった。



日曜日。世間は休日を謳歌する人と仕事に忙殺される人に二分される。私は珍しく前者であり、あたたかい毛布にくるまり気持ちのいいまどろみに身をゆだねていた。そんな至福の時間を切り裂くようにけたたましく鳴り響いた、携帯電話。サイドテーブルに置いていたそれを悪魔の手先のように睨み付けながら手に取る。バックライトが眩しい。『至急第5格納庫へ集合』藤堂主任からの簡潔なメールに、深い深いため息をついて、冷たい床に足を下ろしたのだった。さよなら、私の休日。

「すみません、遅れました。主任、一体何があったんですか」
「おお、休日にすまんな、みょうじ」

急いで支度をして向かった場所には既にチームのメンバーが揃っていて、ざわめく皆の前に立つ藤堂主任の元へ駆け寄った。至急、といった割には、主任には焦りが見られない。ブレイブポリスの誰かが負傷したとかいうわけではなさそうだ。

「みょうじも揃った。皆、こっちへ。よーく、聞いてくれ」

格納庫の奥の奥。ここは普段は使わない。ここに保管してあったのは、確か―。

「…カゲロウの超AIが、帰ってきた」







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