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深夜のデッカールーム。黙々と机に向かっていたデュークの肩を叩く者が、一人。

「お疲れさまです、デューク」
「ナマエ…パトロールは終わったのか」
「はい。私が出て行く時からずっとお仕事してますね。少し休憩してはいかがですか?」

そう言うナマエはどこか疲れたように笑いながら、デュークらの机に隣り合うように置かれた彼女の席に座った。

「君こそ疲れているようだが。何かあったのか?」
「ええ、暴走族っていうんですかね。速度違反をしていた人達を追いかけてきました」

彼女のスピードなら、その暴走族は一人残らず捕まったのだろう。

「ご苦労様だったな」
「人数が多くて…あちこち散らばるんですもん。大変でした」

そう言って、彼女はくてんと机に伸びる。皆の前ではなかなか見せないその砕けた様子に、ふっと笑みが漏れた。手を伸ばしてよしよしと頭を撫でてやると、ナマエは目を丸くしてこちらを見た。

「ハハハ、オイルでも飲もうか」
「あ、それなら私が…」
「いや、私が持ってくるよ。少しでも体を動かさないとな」

立ち上がり様にもう一度ぽん、と頭を撫でて、給油室へ向かう。
デッカールームから出る寸前、ちらと振り向けば、頭に手をやってやわらかく笑う彼女が見えて。
ふ、と漏れた笑みに、彼女が好きなオイルはどの種類だったかなと考えたのだった。





tempus secretus
(あたたかい時間が過ごせればいい)
(君と一緒に)





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