義トリオ


「なまえ!なまえはいるか!」
「はい、ここに」
「馬鹿、自分から面倒事に首を突っ込むやつがいるか」
「三成殿、それは言い過ぎでは…」
「そうだ、今のは聞き捨てならんぞ三成!何が面倒事だ!」
「あの、何用でしょうか」
「おお、なまえよ、そなたにも義の尊さ、素晴らしさを知ってもらおうと思ってな」
「ほらみろ、面倒だろう」
「(私も付き合いきれないとは言えない)」
「兼続様、私は十分義の素晴らしさを分かっているつもりです」
「なんと、そなたも義の使者であったか!」
「義の使者かは分かりません。ですが」
「うん?」
「私はいつも兼続様を見ておりますゆえ、義がいかなるものなのか、よく分かっているつもりでございます」
「な、なんと…!」
「…なまえ、お前」
「(なんと上手い逃れ方でございましょう)」
「なまえ、そなたの気持ちは良く分かった!よし、これからも私だけを見て、いっそう義の素晴らしさを感じるがよい!」
「兼続殿、それは」
「聞き捨てならんな」
「はい、兼続様。ですが私がいつも見ておりますのは兼続様だけではございません」
「なに?」
「三成様も、幸村様も。私は皆様の義を見ていたいのです。こう思うのは、不義でしょうか」
「ふ、不義なものか!よし、いつものように我ら三人の義を、なまえに感じさせてやるのだ!」
「はい、では私はいつものようにお茶の準備をさせていただきますね。失礼します」
「おい、巻き込むな、逃げるな」
「この仕打ちはあんまりではないですか」
「とびきりおいしいお茶を、じっくりと淹れてまいりますゆえ、どうぞ私が戻ってくる時に、皆様の素晴らしい義を、お見せ下さいまし」
「ははは!承知した!」
「待て、待たないか!」
「なまえ殿、なまえ殿!お待ち下され!」
「はっはっはっはっはっ!」






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