01




一週間が経った。
身体も大分回復して、庭に下りることも出来るようになった。
わたしを見つけてくれた松風は、よくふんふんと顔を近づけてくる。
ありがとう、と口を動かせば、小さく鳴いた。

「松風は名前が気に入ってるようだな」
「名前にとっては命の恩人ですもんね。ん?恩馬か?」

庭で松風と戯れていると、縁側に座った慶次と茶を持ってきた捨丸がそう言う。岩兵衛は餌やで、と野菜の入った籠を持ってきた。そこから人参を手に取ると、かぷりと食べられた。

「全く、俺は時間が掛かったというのに」
「ん、うらやましいのか?」
「そんなんじゃないさ」

岩兵衛に言われ口を尖らせる捨丸を見てくすりと笑うと、あ、今馬鹿にしただろ!と叫ばれた。慌ててぶんぶんと首を振る。
そんな様子を見て、慶次は楽しそうに笑った。




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