01




それから、しばらく経つとフキの日常に、変化が訪れた。

朝早く起きて、スラム街の見回りをする。
見回り以外の時間は、ジージェや他のメンバーの手伝いをした。


仕事の内容は至ってシンプルだ。
武器の手入れや修理を行い、時にはスラム街の外に出てモンスター討伐を行う。
そして、フキ個人でスラムの住人達の依頼を解決していくこともある。


それは、かつてフキがソルジャー時代に親友のザックスと行っていた、治安維持活動と同じだ。ただ、スラム街の治安が悪い分、難易度が高い。

仕事を割り振ってくれる連絡係のジージェは、アバランチのメンバーに、ウータイから武器の調達、神羅カンパニーへの諜報等を任せていた。
本家アバランチには、根城にしているスラム街にも多くの敵が居るため、そちらの対応はフキが任されているのだった。

しかし、いくら元ソルジャーのフキが仲間に加わったとはいえ、一人で全てをカバー出来るほど、世界は甘くない。
そこで、フキの他に腕利きの人材をウータイから、派遣してもらうことになったのだ。


フキはその人物を迎えに行く為、待ち合わせ場所の飲み屋に向かった。
そんな怪しげな店の前に、焦茶の髪で長身の男の姿があった。フキはその男に声を掛けた。



「お~~い!あんたか?ジージェが言ってた人」


すると男は振り向き、フキの方を見た。そして、無言のまま近づいてくる。
目の前まで来た時、ようやく口を開いた。


「あんたが……俺のお守りをしてくれる、"ガウナ"さん?」


その声は低いが耳に心地よい響きがあり、どこか懐かしさを感じた。
男はフキのことを指差すと、フキは大きくうなずいた。フキは改めて自己紹介をした。


「俺はガウナ。ガウナ・ヴァレンタイン」

「ソノンだ。よろしくな、ガウナさん」


遠目から見ていて薄々思ったが、ソノンの顔立ちはどこかザックスを思い起こさせる。
髪型だけじゃない、纏っている雰囲気もだ。瞳の色だけは、違っていたが。


(ザックスを思い出させるような奴だな……。なんか、苦手だ)


と、心の中で呟く。


「俺の顔、なんかついてる?」


握手を交わす最中に、思わずじっと見つめてしまったようだ。
慌てて手を離し、誤魔化すように話を続けた。


「べ、別に……!なんつーか、その、カッケーなって、思っただけだ……」

「顔が?」

「……!」


ザックスとエアリスがやっていたような、やり取りを目の前の男としている自分に気が付いて、思わず胸が痛くなった。

自分は平静さを保てているだろうか?
なんというか、こういうところはまだまだ未熟なんだなと、フキは痛感させられる。
そうこうしているうちに、二人はスラム街を漫遊した。











BARのマスターに、スラムの美味しい店や宿泊できそうな場所を教えてもらい、二人は腹ごしらえも兼ねて居住区から七番街スラムの駅まで、足を延ばした。


期間限定だろうと、これからこのスラムに住むのかもしれない。
ソノンに知っておいてもらわなきゃいけないことが、幾らかあった。


「なあ、ガウナさん。ミッドガルのご飯ってこんなのしか無いの?」


キッチンカーで購入した、タンジェリン・チキンを頬張りながら、ソノンは言った。


確かにミッドガルの食事事情は、かなり悪い。
外部の街と比べてみても、やはりスラムの食事はは一段と酷く感じるのだろう。それは、スラム街に住んでいる者でもわかる。
しかし、フキは首を横に振った。


「スラムだからな。上みたいにコンビニがあるわけじゃねえし、自炊よりテイクアウトのほうが食費が浮くのと、そっちの文化が家庭料理より浸透してんだよ。スラムは」

「なら、上で商売するほうが繁盛するんじゃないの?」


至極当然な疑問を投げかけられ、フキは苦笑いを浮かべた。
実際問題、それは難しい。


スラムから仕入れてきた食材やモンスターから採れた素材は、品質が悪いものばかりで、安値で買い叩かれる。
そんな物をわざわざ買おうとする物好きは少ない。

そもそもプレート上層部の住人達は、スラム製の食品には手を付けようとしないのだ。
スラム製=汚染物質、という認識があるからだ。


スラム産のモンスターの肉を食べただけで死に至ることは無いのだが、上層部の住人にとっては命に関わる大事件なのだろう。
そのため、スラムから仕入れることは出来なかった。

ミッドガルには、スラムの外から仕入れた商品を売る以外に、お金を稼ぐ方法が殆どない。
スラム街の現状について説明を終えると、ソノンはタンジェリン・チキンを平らげ、一息ついた後に口を開いた。


「ガウナさん、ご馳走様。スラムのこと、色々と教えてくれて、ありがとう」

「ジージェに頼まれてるんだから、これくらいのことは、な」


フキの言葉に、ソノンは目を丸くさせた。そして、ふっと微笑むと、再び礼を口にした。
フキはその笑顔を見て、少しドキリとした。


ソルジャー時代に、ザックスが見せていた笑みに似ていたからだ。
そんなことを考えていた時、背後から声が聞こえた。


「お~~い、ガウナ!そいつが、ウの衆が寄越してくれた精鋭か?」


聞き覚えのある声だ。フキは振り向いた。
そこには、アバランチのメンバー、ジージェが立っていた。

ジージェの姿を視界に入れると、ソノンは軽く会釈をした。
その仕草はどこか颯爽としていた。
ジージェはフキの隣に立ち、口を開いた。


「随分と、頼り甲斐のある人間を寄越してくれたな。三日後に来るもう一人のウの衆の客員も楽しみだ。ジージェだ」


ソノンに自己紹介をする。
ソノンもニコリと微笑んで、口を開いた。


「ソノンだ」

「よろしく、ソノン」


握手を交わす二人を見ていたフキは、積もる話があるだろうとその場を立ち去ろうとしたが、ソノンが呼び止めた。
振り返ると、ソノンは何か言いにくそうにしている。
ジージェが不思議そうにその様子を眺めると、意を決したように、フキに話しかけてきた。


「待ってくれ!あんたにも少し、話があるんだ」


ソノンの様子を見ると、その表情は真剣そのもので、どうやら歓談のお誘いではなさそうだ。


一体何の話だろうか? スラムの案内に不備があったのか?
もしくは、こんな奴と一緒に仕事したくないと思われるような、不快な言動をしてしまったのであろうか?

様々な可能性を巡らせながら、フキは答えた。


「ジージェ!」

「急ぐ用事もないしな。今日のところは帰んな。ホームステイも兼ねて、ミッドガルに滞在する間は、おまえのところで泊めてやれよ」


フキにそう言うと、ジージェは踵を返し、アジトへと戻って行った。

仕方なくソノンを連れて、居住エリアにある自分の部屋に戻ると、彼は物珍しげに室内を見渡していた。
仮眠の時にしか使ってない、簡素なセミダブルのベッドとサイドテーブルがあるだけの殺風景な空間があるだけだった。
それでも、このスラム街で生活していくにあたって、不自由を感じさせない程度の設備はあるはずだ。


「ここ、独房じゃないよな?」

「嫌なら、野宿するか?」

「ガウナ先輩、お世話になります!」

「……」


なんとも現金な反応である。

フキはため息をつくと、飲み物を取りにキッチンへと向かおうとしたころで、ソノンに肩を掴まれ、無理やりベッドの上に放り投げられた。
ソノンに組み敷かれたのだ。そして、強引に腕を縛られる。


突然の出来事に唖然としていると、ソノンが不敵な笑みを浮かべながら言った。


「そんなに暴れなくても、あまり痛くしてないはずだぜ?」


言われて、フキは両手に力を込めてみるが、確かに痛みはなかった。だが、拘束を解くこともできない。

これは困ったことになった。
フキは、どうにかこの状況を切り抜けようと思考を張り巡らせた。しかし、何も思いつかない。
ソノンは、そんな様子をニヤリと笑い、口を開いた。


「無駄だよ。この固め技からは抜け出せない。俺はこう見えても、それなりに訓練を積んでいるんでね。いくらあんたでも、簡単に解ける代物ではない。諦めるんだな」


そして、おもむろに胸元に手を伸ばすと、フキの衣服を脱がし始めた。
ソノンの予想外すぎる行動に、フキは混乱した。


どうして、このような展開になってしまったのだろう?
フキは必死で抵抗を試みたが、ソノンの力が強く、全く歯が立たない。そうこうしているうちに、フキの上半身は裸になっていた。


「ソノン……!待っ……」

「安心しろ。殺しはしない。ただ、質問に答えてくれるだけでいい。素直に従ってくれるなら、すぐに解放してやる。どうだ、言う気になったか?」


フキは、ソノンの目を見て思った。
どうやら、冗談の類いではなく、本気のようだ。
フキは観念した。

ソノンは、そんな様子を見て、満足げに口角を上げると、ゆっくりと語り始めた。


「あんた、ウータイ戦争に参加したことあるよな?」

「さあ……どうだったかな」


フキが誤魔化そうとすると、ソノンは目を細めた。そして、フキの股間に膝を押し当てる。
ソノンは更に語調を強めて、問いかけた。


「あんたのその顔、よく覚えてる。英雄の弟子っていう記事に、顔写真が載ってたからな。間違いなく、あれはあんただ!」


その声色はまるで尋問官のようであった。
フキは冷や汗を流しながら、全く覚えがないと白を切る。

すると、ソノンはフキの頬を叩いた。パチンという乾いた音が響く。
ソノンは、フキの後ろの三つ編みを引っ張り上げて顔を近づけると、低い声で告げた。


「本当のことを言えねえなら、これからずっと、あんたを犯し続けてやるよ」


フキは、その言葉を聞いて戦慄した。
ソノンは、フキの髪を鷲掴んだまま、噛み付くようなキスをする。舌を差し込み、口内が犯される。
フキは、唇を貪り続けるソノンを引き剥がそうと試みるが、ビクともしなかった。


フキは、呼吸をしようと口を開けた瞬間、ソノンの舌が侵入してきた。ソノンの生暖かい舌が絡みついてくる。
フキの意識は次第に薄れていき、体中から力が抜けていく感覚に襲われた。

ソノンは、フキが脱力したことを確認すると、ようやく唇を解放した。
そして、今度は首筋を舐め始める。時折、甘噛みしながら、フキの肌の上を這っていく。
やがて、ソノンの手のひらが、フキの乳房に触れる。フキは、その感触に体を震わせた。

ソノンは、フキの反応を楽しむように、執拗に攻め立てた。
乳首を摘まみ上げ、捏ねるようにして弄ぶ。フキは、今まで感じたことの無い刺激に戸惑いながらも、次第に快楽に溺れていった。

しばらくそれを続けると、ソノンはフキの下半身に手を伸ばし、ボクサーショーツ越しに肉竿の突端を指先でなぞり始めた。
フキは、敏感な部分への愛撫に、思わず喘ぎ声を上げてしまう。


「あっ……ン、……っ!」


ソノンはフキの声を聞くと、ニヤリと笑い、フキの耳元で囁いた。


「まだ始めたばかりだ……、そう急くなよ。そのウータイ戦争の時に、フキ・フォン・ファブレっていうソルジャーを見たことはないか?」

「フキ……何? 知らな……っ」

「そうか……。もう少し身体に聞く必要があるみたいだな」


フキは、全身が熱くなるのを感じた。ソノンは、フキの胸の先端を口に含むと、転がすように吸い上げた。
それと同時に、フキの下腹部を責め立てる手の動きも激しくなっていく。フキは、押し寄せてくる快感に身悶えた。
そして、絶頂を迎えた。

フキは荒い息を繰り返しながら、ソノンを見つめる。
そんなフキを嘲笑うかのように、ソノンは再び唇を奪った。

フキはソノンの口付けを受けると、口内に唾液を流し込まれ、それを飲み干した。
フキの頭を固定すると、ソノンはさらに深く舌を入れてきた。
フキは、抵抗することが出来ずに、されるがままにされていた。


しばらくして、ようやく解放されたフキは、肩で大きく息をしながら、ソノンを睨む。
ソノンはそんな視線を無視して、フキの下着を脱がせた。フキの秘茎を見ると、口笛を吹いて言った。


「こんなのでも、感じるのか?あんた、意外と可愛いんだな」


フキは、羞恥心から顔を背ける。
フキの両足を掴むと、ソノンは一気に左右に開いた。


「えっ……?」

「そんな物欲しそうな顔するなよ。これから沢山愛でてやるからさ」


そして、フキの股間に顔を埋めると、肉の切っ先から溢れ出たミルクを舐め取り始めた。


「ひゃあんっ!?」


裏筋に沿ってソノンが舌を動かし、菊門の入り口へと侵入していく。フキは、その感触に震えた。
ソノンは丹念に解すと、人差し指と中指を菊門に差し込んだ。
フキの中はとても狭く、きつく締めつけている。


「やめっ……ンッ!抜けよぉ……、このクソ野郎ぉぉぉ!!!」

「口が悪いぞ、フキ」


ソノンは、ゆっくりと抜き挿しを繰り返した。
徐々に滑りが良くなっていき、水音が響き渡るようになる。頃合いを見て薬指を追加すると、三本目の指を入れた。


フキは、圧迫感を感じて苦しそうな表情を浮かべたが、ソノンは構わず抽送を続けた。
フキの弱点を探し当てると、そこを中心に攻め立てていく。やがて、フキの口から甘い吐息が漏れるようになった。


「ンンッ……ふぅっ……、ソノっ……んっ!」


フキは、ソノンの執拗な責めによって、完全に性欲に支配されていた。
フキは、腰を浮かせ、自らソノンの指を求めようとするが、ソノンは指を引き抜くとフキの両膝を抱え上げて、自分の肉棒を挿入しながら、甘い言葉で籠絡する。


「まだ、思い出せないか?俺はあんたに、ご褒美を与えてるわけじゃないんだけどな」


フキは、ソノンの言葉に戦慄した。
ソノンはフキの両手をベッドに押し付けると、激しいピストン運動を始めた。


「ソノンッ……!やめ、だめぇっ……!だめっ、……だ……ってばぁっ!」


ソノンに突き上げられる度に喘ぎ声を上げるが、どうしてもフキには思い当たる節が無かった。
ソノンは、フキの最奥まで貫いた。そして、フキの中に欲望を解き放った。


フキは、ソノンに犯されたショックから放心状態だった。
それを良いことに、ソノンはズボンの尻ポケットから何かを掴み取り、今度はそれをフキの肛襞にあてがう。


「なに、入れっ……!?」


フキは、ソノンのしようとしていることに気付き、慌てて逃げようとしたが、ソノンの力に敵うはずもなかった。
ソノンは、フキの菊門に指を差し込むと、ゆっくりと押し広げていった。

フキは、ソノンの腕の中で暴れるが、ソノンは全く動じていない。それが、フキの不安の念を駆り立てた。


「ウータイ名物、ダチャオ豆」


その言葉を聞いた瞬間、フキは目を大きく見開き、体を硬直させた。その反応を見たソノンは、ニヤリと笑った。

ソノンはフキの中から引き抜いた手を、フキの目の前に持ってきた。
そこには、親指ほどの大きさをした、白い豆が握られていた。


フキは、それを見るなり、ソノンの手を振り払おうともがくが、ソノンが押さえ付けているため、全く意味がなかった。
ソノンは、フキの肛門にダチャオ豆を押し込んでいく。


「あう"っ!も……、やだぁ……!」


フキは、痛みから涙を流す。
ようやく全てを埋め終わると、ソノンはフキを抱き寄せ、耳元に唇を這わせながら言った。


「俺の友達が味わった苦しみは、こんなものじゃない……!タンブリン山でおまえに殺された、あいつに比べれば、な」


フキは、身体中を駆け巡る快感と同時に迫る絶望感に震える。
ソノンは、フキの身体に覆い被さりながら、ダチャオ豆の入ったフキの菊門に肉棒を突き立てた。
フキは、あまりの質量と圧迫感に耐えきれず、悲鳴を上げた。


「ああぁーっ!!」


ソノンは、フキの両腕を頭の上でひとまとめにして抑え込み、激しく腰を打ち付ける。そして、フキの奥深くで果てた。

ソノンは、フキの菊門から自分のモノを引き抜くと、フキをうつ伏せに寝かせた。
フキは、四つん這いの姿勢を取らされる。そして、ソノンは再びフキの中に肉棒を挿入した。


「あぁっ……ふうっ、うっ……ンッ!」


ソノンは、後ろからフキを攻め立てる。
フキは、顔を枕に押しつけて耐えていたが、やがて限界を迎え、達してしまった。

しかし、ソノンの動きは止まらず、フキを再び快楽の波へと誘っていく。フキは、何度も絶頂を迎えた。


「うっ……ああぁぁぁ……」

「可能な限り、これを毎日やってやるからな」


ソノンは、フキの中に欲望を放つと、そのままフキの上に倒れ込んだ。
フキは、ソノンの重みを感じながらも、意識を失った。






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