もし原作に出ていたら。 | ナノ
>> 7月4日

「都竹先輩!」
「ん? よ、勘右ヱ門」
「こんにちは」
「こんにちは。どーした? 課題なら俺じゃなくて仙蔵に聞いたほうが早いぞ」
「いえ、課題ではなくて委員会のことなので、委員長に訊こうかと」
「ふぅん? あぁ! わかった、次の活動日ね。うんうん、来週の土曜に暇なら来てくれ。上級生は茶菓持参だからな、忘れるなよ!」
「あ、あの茶菓って、なんでですか?」
「茶を飲むのに茶菓は不可欠だろ?」
「(そんな、なんで? みたいな顔されても……)何をするんですか?」
「茶を飲むんだよ、皆で。大体庄左ヱ門が淹れてくれるかな、彦四郎の茶もうまいんだけどさぁ、庄左ヱ門のは甘味の中に苦味があってね」
「会議とかはしないんですか?」
「何を? 今は特に話し合うこともないしなぁ」
「学級委員長委員会なのにそんなにやる気なくていいんですか!?」
「んー? いーんでね、別に」
「駄目だ、委員長からしてやる気皆無だ!」
「いーんだよ、普段忙しいから、委員会のときくらいは同じ苦労を分かつものとしてだなぁ、うん、のんびりね」

〜ちなみにある日の活動日〜
「よーっす、今日も元気に愚痴ってるなー」
「あ、こんにちは!」
「「こんにちは」」
「こんにちは。っと、今日は委員会に来たんじゃねーんだよなぁ」
「そうなんですか? では一体何の御用で?」
「んー、隠しておいた菓子の回収に」
「ぎくっ」
「えーと、どこやったっけ……? ……あれ、今さ、三郎ぎくっとしたね、何?」
「ぎくぎくっ、え、や、やだなぁ先輩! もうボケ始まったんですか?」
「言い訳にしちゃ毒舌が過ぎんじゃねーの? あっれ、ここにしまっておいたんだけどなあ。彦四郎と庄左ヱ門は知らないかい?」
「なななんで私に訊かないんですかぁっ!」
「お前、犯人の筆頭候補だろ」
「そ、それは……っ」
「つーか否定しねーのな。……あーぁ、ここもだめかぁ」
「都竹先輩、どうかなさったんですか?」
「んー、聞いてくれるかい?」
「僕たちでよければ」
「優しいなぁ、先輩の隠してるお菓子食べちゃう後輩より断然可愛いよ。
 それがさ、最近部屋においてある菓子類を無断で食い荒らすやつがいるんだよ、委員会用のも個人のも区別なく。で、仕方ないからここに置いておいたらこの有様だろう? どうしようかなぁ」
「犯人はわからないんですか?」
「んー、小平太」
「七松小平太体育委員会委員長ですか?」
「うん、大体泥が残ってるからあいつだと思うよ。うちの学年は問題児っていうか個性豊かっていうか」
「大変ですね、6年生も」
「まったくだよ」