>> 7月28日 「やぁ、きり丸」 「こんちは、都竹先輩」 「こんにちは。これからバイトかい?」 「2つ向こうの峠の団子屋っす。食べに来ます?」 「売上に貢献させようってか、やーだよ」 「けち」 「……お前にだけは言われたくなかったよ。そんなことより」 「僕にとっては死活問題っすよ!」 「俺の用件も違う意味で死活問題だぞ」 「……何かあるんすか?」 「最近この一帯で、というのはまぁお前の言ってる団子屋の近辺も含まれる一帯で食い逃げが横行してるらしくってな」 「食い逃げが?」 「なんでも二本差しだそうでどうも被害が大きい。一件一件は大したものじゃないが、どうも味をしめたらしいな」 「それが、俺のバイト先に来るかもってことすか?」 「可能性はある」 「……参ったなぁ」 「どうした」 「店のじいさん、今日は俺に店任せるって言ってるんすよ」 「通りがかろうものなら格好の獲物だな。……よし、そういうことなら、いいだろう」 「来てくれるんすか!?」 「いや、俺は委員会でお茶会の予定が……」 「じゃあ、どうするんすか?」 「長次たちでも連れていったらどうだ?」 「中在家先輩っすか」 「部屋で本読んでたから、暇なんだろ」 「いいんすか、勝手に決めて」 「どーせなら文次郎と小平太も連れてけ」 戻 |