いろは唄 | ナノ
学級委員長委員会委員

>> 某月某日



廊下を歩いていると、真っ青な顔をした六年生が必死になって委員長に謝っていた。

委員長に張り付いていた綾部先輩が極自然に土下座を要求していた。驚くべき図太さである。

すると本当に、あの立花先輩でさえ土下座したものだから驚いた。珍しいものを見た。

そこまでされた委員長は相変わらずの笑みで、もういいよと言っていた。

それはきっと謝罪を受け入れたわけでも赦したわけでもなく、もうどうだっていいのだろう。

委員長は目を細めて爽やかに笑う。別れが少し早くなっただけだと。委員長は何を考えるのだろう。




前頁 / 次頁