学級委員長委員会委員長 >> あ 何事か真剣に考えているようだから、見守っていた。 さて、一体何を考えているんだろうな。俺のことだったら嬉しいな。 でも違う気がする。表情が、なんとなく硬いもの。 俺のことならもっとなんて、自意識過剰か? しばらく見ていると、何か決意したように俺を見上げた。 何か言いたそうにしていたから、笑って見せた。 お前が言いたいことなら何でも聞くよ。 お前が同意を求めるなら何でも頷いてあげる。 さて、どうしたんだろうか。 「都竹先輩、お願いがあるんです」 「んん、なぁに?」 あぁ可愛らしい。伺うような眼差しに、そっと首を傾げた。 お前の頼みだったら、できることは何でもするよ。 だから笑っていてね。俺はお前の笑顔を見ていれば何でもできるから。 「私ね、あの人が大っ嫌いなんです」 「知ってる。俺もあの人嫌い」 幼い子供たちは泣きそうな顔で、自分より経験のある先輩に助けを求めた。1年生から2年生へ。 まだあどけない子供たちは不安を露わに、自分より経験のある先輩に説明を求めた。2年生から3年生へ。 背の伸び始めた子供たちは不快と言う感情を隠しもせず、自分より経験のある先輩に決断を迫った。3年生から4年生へ。 精悍さを帯び始めた少年たちは頭を悩ませて、自分より経験のある先輩に決断を迫った。4年生から5年生へ。 子供と大人の境目にいる少年は苛立ちに耐えかねて、自分より経験のある先輩に決断を迫った。5年生から6年生へ。 すなわち、俺へ。 「あの人、消えちゃいませんか?」 「……お前がそう望むなら、な」 なーんだ、それくらいならかーんたん。 あの人が悪となりうる証拠を用意してから許可を仰いで排除すればいい。 別に問答無用で殺しちゃってもいいんだけどさー。 「先輩、だぁいすき」 「俺も一等好きだよ」 お前、俺の扱い方心得てきたなぁ。 掌で転がされてる感は否めないけれど、それでお前が笑ってくれるなら。 俺はなんだってしてみせるさ。罵るならば罵れ、嘲るならば嘲れ。 これこそが俺の幸せなのである。 さぁって、どうしようかなぁ。 問答無用でざっくり始末じゃ、この後忍術学園にとどまれなくなってしまう可能性がある。 それは駄目だな。地盤固めは大切だもの。 んじゃあちょっと手間はかかるけど、天女サマの足元を大崩落させるところからか。 ズブの素人である彼女を欺くのは簡単だ。何しろ俺が何度蔑ろにしても都合よく勘違いしてくる始末。 むしろ問題は彼女の取り巻きである俺の元友人たちのほう。そっちを騙すほうが手がかかる。 ってことは、単なる流言だけじゃあ駄目で、となると実際何かが起きないと駄目だな。 何か起きれば、誰が納得しなかろうと教師陣が動かざるを得なくなる。 それには教師を騙す必要もあって、なおのこと巧妙かつ大掛かりに行われなければならない。 んー、よっし、仕方ない。あれでいくか。 前頁 / 次頁 |