一対 | ナノ





変な夢を見ちまった。


ガキの頃の夢、彼奴とはぐれたときの夢。










『君が泣くと僕も哀しいです』










今の俺と同じような背格好の男が、ガキの俺の頭を撫でてやがった。


多分、それが……今のユウ。










『迎えに、来て。待っているから、早く』










けっ。


居場所もわかんねーってのに、何言ってやがんだ。




「晋助様ー!!」


「あぁ? 何だよ」




機嫌は、不思議とよかった。








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