案 | ナノ




The whereabouts of the flying precious stone in the sky
2013/01/21 16:11

始まりはタルタロス襲撃から。ルークに攻撃を仕掛けたアッシュに向かって飛び降り膝蹴りで登場。
「何しやがる、屑が!!」
「乱暴ですねぇ、燃え滓さん。指揮官は私です、勝手なことをしないで頂けませんか? 迷惑しているんですよ」
そのままルークに手を振って、被験者ジェイドが来る前にスケボーに乗ってさっさと撤退。

セントビナーには行かないでグランコクマ宮殿に出頭。アリエッタのお友達がテオルの森までつれていってくれる。
「お前たちはいいですね、ふふ」

タルタロス襲撃について、抗議を受ける前にとっとと謝ってしまう。誠意を見せるため? いいや、先手を打っただけ。そうしたら被験者ジェイドはやっぱり報告していなかった。
(あぁ、やはりそうですか……)
「それでは御説明しましょう」

未だにキムラスカを信じていないジェダイトはピオニーにだけ真実を明かす。
「ひとつ、オールドラントの行方について、陛下にお話したいと思いまして。アクゼリュスで障気が噴出していることは御存知ですね。ですが、障気発生は御存知でも、対策は御存知ないでしょう? これはローレライ教団の機密事項に当たりますので、どうか内密にしていただきたいのですが……宜しいでしょうか?」
「……構わん。構わんが、貴殿は何故、マルクトにそれを告げようとしているんだ? 機密事項は伏せておけばいいだろう」
「あなただからです。いけませんか? 私が、あなたならばこの情報を悪いほうには使わないと信じるからでは。何故あなたを信じるかと言えば、おわかりでしょう?」
「俺の想像通り、ということか? お前は、レプリカなんだな?」
「はい。私は14年前に神託の盾騎士団所属のディストという研究者に作られたレプリカです。被験者は、あなたの想像通りの人物ですよ。今は、神託の盾に所属しています」
自己紹介ってほどのことではない。自分のことはあまり話さない性質。
「ふふ。現在の大地は人為的に浮かされたものなんです。信じがたい話ですが、事実です。この大地の下に魔界と呼ばれる場所があり、そこでは地上を外郭大地と呼んでいます。当然そこには人も住んでいます、彼らは全員教団員ですがね。
 それで、この外郭大地の作られた理由が、障気発生なんですよ。当時の技術を持ってしても、障気問題だけは解決しなかったんです。そして、障気問題を解決できず、当時の人は大地を浮かせることで障気問題を先延ばしにしました。いつか解決できると信じて、だと思います。実際には技術は衰退してしまいましたが。
 しかし障気問題を研究するうちに、私はひとつの事実を知りました。外郭大地を浮かせているパッセージリングという音機関があります。これが寿命を迎えようとしています。放っておけば大地は崩落し、大多数の人間が死に至ります。外郭大地はセフィロトから吹き上げる記憶粒子によって支えられています。そこで私はパッセージリングを操作し、外郭大地を慎重に降下することを考えました。しかしこの段階で実際に魔界に降りたとき、私は重大な問題に直面しました。魔界の大地は、一部を残してその多くが液状化しているのが現状です。その原因が、実はプラネットストームなんです。プラネットストームが完成し、ラジエイトゲートからアブソーブゲートへ音素が循環するようになってから、地殻から発生する記憶粒子が絶え間なく溢れだしては収束していくことによって、本来静止状態にあるべき地殻は激しい振動を続けています。このままでは外郭大地降下に成功しても、最終的に大地は魔界の泥に沈んでしまいます。……プラネットストームを停止しない限りはね。
 つきましては、このオールドラントの北半分を治めていらっしゃる偉大なる皇帝陛下に御意見を頂きたく存じます」
どうあっても外郭大地降下は実行するつもりでいる。何とかして説き伏せたい。
(こういうのの専門はジェイドなんだがなぁ、)とか内心でぼやきつつ、ピオニーはきっと薄々ジェダイトの正体に気づいているから、結局は賛同してくれる。
「ひとつ聞いてみてもいいか?」
「はい、何でしょうか?」
「当時の人間は、何を考えて結論を先延ばしにしたんだと思う?」
「それは……当時の人間に訊いていただかないと、私からは何とも言えません」
「お前の持論でもいい、憶測でも何でも。お前はどう考える?」
「そう、ですね……彼らは思考を放棄したのだと思います」
「要するに2000年も前の不始末を、処理しなければならんってことだな」
「そうなります。……私の考えでは」

ディストについていってコーラル城でフォミクリー装置を見物。ルークの寝顔を見下ろしてにやにやするかも。ヴァンが来る前にアリエッタを抱いて逃走する。その後も影でこっそり見ていたり。ストーカーではなくて。
「ヴァン、あなた……ロリコンですね」
やっぱり被験者ジェイドとは接触したくない。

PTがバチカルを発った頃から好き勝手し始める。ザオ遺跡でイオンをPTに返したり。タルタロスから姿を眩ましたり。
ジェイドあたりには正体を気づかれるかもしれない。自分の能力は自分が一番わかっている。
「これはおそらく……やってしまいましたかねぇ」

PTがザオ峠でリグレットと対峙している頃、アクゼリュスの住民を一部だけでも救出する。一応元マルクトの軍人だったし。
崩落し始めるとアクゼリュスを上空から見下ろしつつ手を出さない。死ぬときは死ぬ。あっさりと見捨てる。死生観あたりはあまり変わらない。
「まぁこちらも慈善事業ではありませんから、ね……」

ザオ峠からリグレットを尾行して近くの森で始末する。
「いけませんねぇ、己の醜さから目を逸らし他人の不出来を嘲弄するなど。ですが、安心しなさい。あなたの弟の仇も、直にあなたのところへ送って差し上げますよ」
手加減なくリグレットを抹殺する。死んだ後のことは知らないけど、これはジェダイトなりの優しさのつもり。結局死については何もわからないまま。

崩落が完全に終わって更にアッシュが魔界に降りてからルークをスケボーで追いかける。
ユリアシティの外でしばらく待ってから、ルークが気絶しているのをいいことに、拉致してダアトの隠れ家に強制収容。
PTはルークが逃げたとか勝手に判断するけど、そんなことは関係ない。一時の気休めでもルークを保護できて一旦は満足。これでやめるつもりは毛頭ないけど。

ルークはディストに預けておいて、さらにワイヨン鏡屈から戻ってきたPTにちょっかいをかける。例えばタービュランスを放ってみたり。ちょっと怒ってる。
「いい御身分ですねぇ。親善大使を放っておいて、御自分たちは世界周遊ですか? あなたは何を考えているのですか、アッシュ?」
「! お前、何故ここにいる!?」
「どうせ理解できないでしょうから、答えるつもりはありません。それより、陸艦タルタロスやカイツール軍港を襲撃し、今またマルクトの軍人やキムラスカの王族といる。
 あなたを初めて見てからずっと思っていたことですが、あなたは一本気に見えて、その言動は一貫していませんねぇ。すなわち、あなたの存在は信じるに値しないということですよ。それで王族とは、聞いて呆れますねぇ。
 あぁそれと、何故ここに来たかでしたか? 簡単なことです。潔く軍服を脱ぐならばそれでよし。そうでなければ実力行使で脱がせます。どうしますか、元神託の盾騎士団特務師団団長兼六神将鮮血のアッシュ。私に脱がされますか?」
「っ、ふざけるなっ!! てめぇまで易々とヴァンに利用されやがって!! あいつは俺のレプリカを使って、アクゼリュスを崩落させたんだぞ!?」
「おや、あなたが言うんですか? 私の知る限りでは、あなたのほうこそ体よく利用されているのに。それに、これは詠師会の決定ですよ? あなたが何を言っているかは知りませんが、グランツ謡将は関係ありませんねぇ。さぁて、神託の盾を敵に回しますか?」
「ちょ、ちょっと待ってください! あなた、神託の盾の人でしょう? 詠師会が決定したとは、何のことですかっ」
「……普段ならば温かく笑って迎えて差し上げたいところですが……ふむ。私は、あなたにも怒っているんですよ……ねぇ」
「え……どういう意味ですか? 僕が何をしたと言うんですか……?」
「おや。知らないふりは狡いですねぇ、導師イオン。セフィロトにあるダアト式封呪の扉の向こうに何があるか、あなたは知っていたでしょう? あんな危険な場所にあなたを連れて行った連中は当然ながら、開けてしまったあなたに、罪がないとは言えませんよねぇ? ルーク1人を責めるのはお門違いというものですよ。
 ちなみに、今回詠師会で鮮血のアッシュが破門されたことにより、繰り上がって私が六神将になりました、よろしくお願いします。あぁ、特務師団団長の地位は他の誰かが入るそうですよ。誰が入るかは知りません、興味もありませんから」
「な……お前まで俺の居場所を奪うつもりか!! 赦さねぇぞ……!!」
「とか言いつつ、自分で捨てたのにねぇ。一週間も無断で休んでおいて、処分がないはずがないでしょう? 普通ならば減俸程度ですんだものを、度重なる命令違反で軍位剥奪とは体裁もありませんねぇ。不敬罪もありますから、処刑もありえますよ。被害妄想も度が過ぎると醜いと思いませんか?
 あなたも莫迦ですよねぇ。神託の盾にいることを望まないのならば、バチカルに戻ればよかったものを。一度はバチカルに戻ったのでしょう?」
「それは! あの屑レプリカ野郎がいやがったからで!!」
「それでも、ですよ。記憶のないレプリカとあなたならば、間違いなくあなたが本物のルーク・フォン・ファブレと認められたでしょうに。あなたは王室の証を持っているのですから、聞き入れられないはずはありませんでしたよ。結局、あなたは死の預言を恐れただけじゃないですか?」
「違う!! ヴァンがレプリカ野郎を身代わりにしたからだ!」
「でしたらあなたはルークを蔑むどころか、感謝してしかるべきではありませんか? あなたの身代わりとして、ルークは死を賜うことになったのですから。
 それで、レプリカルークが預言の通りアクゼリュスで死んで自分は意気揚々とキムラスカに帰るつもりですか。自国の繁栄のために犠牲になれないどころか、自己満足のために国益や民まで害しますか。
 タルタロスのほうは責任者が報告していないだとかで、まぁ私も身に覚えがありますが、謝罪するはずの私が事情を説明する羽目になるし、カイツール軍港についてはシンクが斬首を覚悟の上で謝罪に行きましたよ? 年下の人間に尻拭いをさせておいて、あなたは恥ずかしくないのですか? 私が言うのもあれですが、随分とまぁ非常識ですねぇ」
「ヴァンがレプリカを作ってすり変えたんだ、俺がやったんじゃねぇ!!」
「だから俺は悪くない、ですか? おやおや、何です。あなたの卑下するレプリカルークと同じ言い分ですか。どうやら、ファブレ家では自分が悪いことをしたときは他人に責任を擦り付けるように教育しているようですねぇ。だからあなたはグランツ謡将の甘言に乗せられるのですよ。利用されているんですねぇ。愚かしい。お幸せなことです。
 ……おや、何を素知らぬ顔をしているんですか。あなたも同じでしょう? まったく……自分のことを棚に上げて7歳児を責め立てるとは、見下げた性根ですよねぇ。御自分の指揮する陸艦を襲撃し部下を皆殺し、加えて艦まで奪取した相手を信じるのですか? 軍人失格ですねぇ。流石は私の被験者です、情けないですよ、ジェイド・カーティス」
結局はそれもジェダイトにとってはかつての自分の姿。現在の被験者ジェイドを罵る言葉はそのまま自分へと向けたもの。嫌みはすべて自分に帰ってきます。いい加減にしろ被験者ではなく、私はこれほど酷かったのか。
「……やはり私のレプリカですか……あなたを作った覚えはないのですがね。やはり、ディストですか?」
「そうですねぇ、私のだーい好きなディストですよ?」
被験者が絶対に発しない言葉を気持ち悪いくらい被験者と酷似している胡散臭い笑顔で。ジェイドに精神的ダメージを狙う。これに限っては結構怒っていらっしゃる御様子。誰に、とは言わない。
そしてジェイドが凍り付いている間にイオンとついでにナタリアを気絶させて肩に担いで逃走する。スケボーがあるから逃げ足速い。

PTがナタリアとイオンを探している間にジェイドのふりをしてこっそりルークと接触してみたり。軍服の調達くらい、チョロ甘ですね。ピオニーと仲良くなっちゃったからね。
「おや、おはようございますルーク」
「うおっ!? お、驚かせんなよ!! って、お前誰だ!?」
「通りすがりの医者ですよ」
「嘘つけ! お前ジェイドだろ! 何だよ、その格好」
「ドクトルマンボですよ。気分はどうですか? 吐き気がするだとか、頭が痛いだとか」
「え、っと、特にないけど……お前こそ、なんか違わねぇか……?」
「気のせいですよ」
「けど、なんか雰囲気が違うような……」
「気のせいですよ。服装のせいでは?」
二重トラップ発動。服装で騙したふりをして見破らせて安心させておきながら、実はジェイドですらないという。実はドクトルマンボの格好は気に入っているかも。世界の危機? 何それ、おいしいの?
「そんなことより! セントビナーが沈むかもしれないんだ!!」
「……知っていますよ」
ジェダイトは、このあとのことにルークを交えて、自己犠牲心を発揮させることを危惧している。だから話を逸らしておきたかったんだけどできるはずがない。
仕方ないから了承するけど、本当は嫌なんだよ、そんなこと。
「ルーク。あなた、随分と印象が変わりましたねぇ」
「俺、変わらないといけないから……」
「おや。非合理的思考ですねぇ」
実は助けに来たんですよーと嘘ではないが真実でもないことを吹き込む。誰から助けたとか、絶対に言わない。そのままディストが確保したアルビオールの席に座らせたまま待たせておく。
「後で迎えに行きますから、待っていてくださいね。……寂しくても泣かないように」
寂しがらせてごめんとか泣いて欲しくないとか、素直に言えないんだね。さすが『ツンデレおじさん?』だけある。これがまた嫌みっぽく聞こえるから困りもの。

PTにルークを放り込んでおきながら、髪を短くして素知らぬ体でイオンかトリトハイムあたりに呼ばれたふりをして和平会談中にぶっ飛ばす勢いで乱入するかもしれない。
「あなたがレプリカルークですね。いいですか、アクゼリュスを繰り返したくなければ、鉱山の街に行ってはいけませんよ。屋敷だか城だかは知りませんが、大人しくしていることです」
本人は飄々としているが、小規模な大混乱が起こることは必須。だって同じ顔が二つ。片方は短い金髪だけど、そっくりさんなのはすぐにわかる。ルークあたりが一番混乱する。当然他のPTはレプリカジェイドの存在を知っている。
「じ、ジェイドが2人!?」
「騙すつもりはなかったのですが……」
流石にちょっとした罪悪感を抱いて、そうして初めて自己紹介をする。
「では改めまして。神託の盾騎士団第二師団副団長兼六神将、レプリカジェイド、改め死閃光のジェダイトです。因みに、ジェイドは私の愛称です」
実は神託の盾では(色々な意味で)有名なのでティアやアニスは知っている。表に姿を出さないので、マルクトやキムラスカではあまり知られていないけど。
「死閃光の、ジェダイト……? どこかで聞いたことが……」
「何言ってんのティア! 死閃光のジェダイトって言ったら、神託の盾の死霊使いじゃん!! あの変人ディストの補佐してるっていう!」
「え……この人がそうなの!?」
「到底見えなくてすみませんねぇ」
この程度で苛立つことはない。精神年齢五十路直前は伊達じゃない。
とりあえず必要なことはざっくり言って後は被験者ジェイドに押し付ける。
「大丈夫ですよ。自分の能力は私が一番わかっていますから」
これも信用の一つの形……なのかもね。実力だけはそれなりに認めている。実際に戦ったらオールレンジ対応なジェダイトが勝つけど。