おはよう。まだ友達で。






朝起きたら、目の前にクラサメ君がいた。

なんか変な手つきで体を撫でまわしてくる。



「おはようオリ。」

「おはよう、まだお友達でお願いします。」



そういうとクラサメ君は舌打ちして私の上から退いた。
朝っぱらからこんなのに出くわすなんて、私はどんなに不幸なんだろう。

マクタイとかでやってる福引を1000回ひいてもティッシュしか当たらない気がする。



「で、なんで私の部屋にいるの?」

「オリが式典に出てる間に鍵盗んでコピった」

「それいつの話?」

「そうだな、前のオリの誕生日の36日と…16時間前」



時間単位ですか。てか式典ってことは、私のノーマルスカートのポッケあさったってこと?



「その時についでに何を持って帰った?」

「リップクリームとハンカチ。」

「即答かい。」

「パンツは入ってなかった。」

「当たり前だコラ」


だからあの時にリップとハンカチがなくなってたのか。
なんだよ、あのあと相談に乗ってくれた癖に。


「私、着替えたいんだけど」

「そうか、じゃあ…」


クラサメ君はすっと立ち上がって部屋の扉へ向かう。

お!?ここはちゃんと立ち去ってくれるのか。やっぱり根はいいやつだ。見るとか言い出すと思ってたけd


「よし、いいぞ」


前言撤回。コイツドアの前に体育座りしやがった。
根っから変態だ。


「出てけ」

「知ってるか?近くで見るのもそそられるが遠くから遠近法を使っていくらか小さい体を眺めるのも楽しいんだぞ。」

「さようなら」


普通の男子より数センチ小さい体は何とかして持ち上げることができた。

そのまま部屋の外に放り出す。



「はぁ……」



王子様、いずこ…。