裏返し














*事後的な表現注意!

















「クラサメさん…好き……」


「私もだ……」




朝からこんな感じでいいんでしょうか。

毎日毎日。



朝起きて、二人して裸のまま戯れる。

本当にこれはいつもの事なんですが。





クラサメが、さわりと私の腰をなでた。

「ん、…くすぐったい」


少しもぞもぞと動く。

別に、鬱陶しいということではないんだけど。




ただ……





(太ったのバレたらどうしよう…)


ここ2週間で何キロ増えただろう。

2キロ?


いや、3キロだった。



エミナ士官から「いつものおかえし」ということでクッキーをもらったり、セブンからケーキをもらったりと誘惑が多かった2週間。
誘惑には負けられないんだよね、と心の中で後悔した。



とにかく、お腹周りが少しぷよぷよし始めている。

ぷよぷよ加減を悟られるのをどうしても避けたい。



だから、私はいつもより早くベッドから降りた。




「……どうしたんだ?今日は休暇だろう?」



「あ、…えっと、」



……そうだ!

今日はカヅサさんの研究の手伝いをするんだった!



「カヅサさんに用事があるんです」



ああああ、どうしよう、怪しまれそう。



「そうか。くれぐれも気をつけるんだぞ」




……よかった。

とりあえず、いつもカヅサさんを鬱陶しそうにしているクラサメさんも内心カヅサさんのことを信頼してるんだね。





それから着替えて、さぁご飯でも食べに行こうと部屋のドアに手をかけた瞬間。




「なぁ、昨日ヤッてるときに気付いたんだが」




呼び止められた。



ぴゅーと顔に汗が流れる


なんだ、悪い予感しかしないぞ

おねがいしますお腹の事はいわないでぇええええええ








「…なに…?」






するとクラサメはいつもと変わらない無表情でこういった。




「……お前、最近太ったか?」









ぷつん



なんだろう、頭に青筋が立った気がするよ。

いや、別に私が悪いんだけどね。


でもね、
でもね



















「クラサメさんの馬鹿ぁああああああああああああああああああああ!!!!」







寮中に、私の声とビンタの音が響き渡った。



















「・・・・・・・というわけなんです」

「へぇ〜、それはまた…」




ビンタした後、泣きながらカヅサさんのお手伝いをしに来たのだった。



「うううう、自分の彼氏にも言われるなんて、そんなに太って見えますか…?」


「んー…」



そう唸ると、カヅサは舐めるような視線で私を見た。

目線が、足元から頭のてっぺんへ…って、なんかキモいな。



とりあえず見た後に、少し考える素振りをみせたカヅサ。



「…どうなんですか?」




これで、分かるくらい太ったよとか言われたらマジで泣く。

涙で洪水起こす。







「太ったと気づかないほうが寧ろ馬鹿だね☆」



パシーーーーン


クリスタリウムに乾いた音が響いた。











「……痛いなぁ!もう、照れなくてもいいのに」

「ふざけないでください。…で、やせる方法とか無いんですか?」



カヅサの頬には手の痕がくっきりついていた。


とにかく、元の体に戻りたい。




「そうだなぁ。クラサメ君を使えばいいじゃない。」

「? 使うって?」



急にカヅサがニヤニヤし始めた。

やめてよ、気色悪い。



やだなぁ〜と意地悪く言った。




「毎日してることを、もっとたくさんすればいいのさ」




毎日?
わけがわからない。

特に何かエクササイズとかはしてないけど…。



首を傾げたら、カヅサはもっと意地悪い顔になった。




「だから、恋人同士ですることでカロリーを消費するような行動って言ったら、一つしかないじゃないか。」

「な……!!!」



途端に顔が赤くなるのを感じた。

この男は一体私たちのどこまで知っているのだろうか…。




「そうだな〜、3ラウンドくらいヤれば結構な量になるよ」

「簡単に言わないでください!!」




今はクラサメにビンタしてしまったことを後悔している。
だが正直言うと、ビンタしてしまった相手に顔を合わせる勇気がないのだ。

どうしよう、嫌われちゃったかな……。



がっくり肩をおろし、深ーいため息をついた。


なんだろう、最近やけに肩がこる。





ふとカヅサのほうに目を向けたら、また意地の悪い顔をしやがった。


「なんだー、もしかしてクラサメ君と顔をあわせるのが怖いのかい?」

「しょうがないじゃないですか。」



カヅサは眼鏡を光らせ、ブリッジを指で押し上げた。



「なんなら、僕が相手をしてあげようか?」







私は、2,3回瞬きをした。


言葉の意味を理解した瞬間、盛大に後ずさりしてしまった



「いいい、いい、いいです!余計なお世話です!」



何を言ってんだこの男は!!




「照れなくてもいいだろう?…そうだ!このまま僕のものになっちゃいなよ」


意地悪い、意地悪すぎる。

そんな笑みを浮かべながら、じりじりと迫ってきた。


「カヅサさん!嘘ですよね、嘘って言って下さいぃいいい!」

「うれしいなぁ、君が僕のものになるなんて!」

「誰も言ってねぇええええええええええ!!」

「そうだ、私が許さん。」

「でしょでしょ?クラサメさん……って、え?」





扉の近くにクラサメさんが立っていた。


すごい眉間に皺よってる。

おお、怖い。



「クラサメ君……!?いつからそこに?」

「お前がビンタされたあたりだ。」


それ、ほぼ最初からだよね。



「とりあえず、オリを返せ。」



ギロッとカヅサを睨んだクラサメ。

睨むというよりガンつけるというほうがもはや近いと思われる。




「…ったく、クラサメくんも我儘だね。」




ほら、と言って、私はカヅサさんに脇下をつかまれ、宙に浮いて…って、え?




私は宙を舞っていた。

カヅサがぶん投げたのだ。


「わあああああああああ?!?!?!」


そのまま一直線にクラサメのほうへ飛んでいく。




「っと」



軽々とキャッチされた。

なんだよ、最近太ったとか言ったくせに。




「……うちのが邪魔した」

「いやいや、こちらこそ。」



いやいやいやいや、私は何も悪くないぞおおおおおおおおおおおお





クラサメは私を抱えたまま、研究室を出た。










ものすごい感じる、みんなの視線。



「わあああああああああ!!!おろして!おろしてください!!」



ジタバタと暴れる私。


だってこれは恥ずかしい。

お姫様だっこも恥ずかしいが、肩に担ぎあげられているのも恥ずかしい。



ゴスゴスとクラサメの背中をたたく。



「動くな。あんまり暴れるとパンツ降ろすぞ」

「ごめんなさいでした」




黙って担がれることにした。





そういえば、とクラサメがつぶやいた。


「どうしましたですか?」

「……痩せたいか?」



何を聞きだすかと思えば。そりゃぁ、そりゃぁ…


「そりゃぁ痩せたいに決まってるですよ」

「お前さっきから言葉おかしいぞ」




ふむ、と考える素振り。



そしてすぐ、



「明日、起き上がれなくなるぞ」



といった。


「んな………!?」



ボボボっと顔が赤くなる。

何を言ってるんだこいつ…!



心のなかで騒いでるうちに、とうとうクラサメの部屋まで来てしまっていたようで、部屋に入るなり、ベッドに投げられる。



「3回……だったな、お前を突きあげてイかせればいいのだろう?」

「え、ちょ、まだ昼……いやあああああ!!!」








ビンタをしても、私はクラサメに勝てなかった。






END





,.,.,,.,.,.,.,.,.,.




またしてもとんでもないものを書いてしまった。

んでもって微妙にエロくなってしまった…!


もう、こんなんでいいのだろうか…。



そしてリクエストがどんどん裏ばっかりになってくっていうね。