求める








向かった先はもちろん隊長の部屋。




部屋に入り、ベッドに向かう。


ベッドに向かう意味がわかり、さっきまでこれを求めていたにもかかわらず、緊張して顔が熱くなる。

彼も緊張しているのか、少しだけ頬が赤くなっている。


明りは今宵の月明かりだけ。そんな薄暗い中でも自分の顔は真っ赤なのだろう。


ベッドのそばにくると、隊長はここに来るときに付けたマスクをとり、ベッドサイドの棚に置いた。

そしてまた抱き締められる。




「…オリ、いいのか?」




最後の問い。私を女にしていいかの確認。


あなたを、拒むわけがない。



だから頷いた。

「…私の初めて、もらってください…」



その言葉を合図に口付けを交わした。









最初はいつもの優しいキスだったけど、だんだん私の知らないようなキスになっていく。
さっきカヅサから受けたキスと、このキスは別物。

何度も角度を変え、唇を重ねる。


――嗚呼、私はこんなにも愛されているのか。


そう感じながら、どんどんキスは激しくなる。



お互いの舌を絡ませ、離さない。
絡み合った熱が二人の思考を麻痺させる。


「ん、…んっ」


何度も何度も互いに食いつくようにキスをする。



そのまま二人して、ベッドに沈む。



キスを通じて愛情を流されながら、服を乱される。私も、よくわからない彼の服を脱がせる。



「オリ、オリっ……」

「ん…、はぁ…っ」


甘く低く囁く声が全神経を伝わるような感覚に酔いしれる。

彼が私の首元に顔を埋める。
サラサラとしたしなやかで柔らかい髪の毛が肌をくすぐる。


何度も執拗に這いまわる舌先によって、私の体は敏感になっていく。


冷たい指は胸に降りてきて、先ほど露わになった胸の先を、きゅ、と摘んだ。



「ひゃあっ!ぁ、っん!」



そのまま指先で弄り、もう片方の胸も舌先で弄る。
面白いほどにビクビクと体を震わす私。
恥ずかしくて恥ずかしくて、ぎゅっと目を瞑った。


「オリ、好きだ…」

「隊長…ッ、んっ…ぁ」


隊長は顔を上げ、触れるだけのキスをした。
彼もまた、ほんのり頬を赤く染めていた。


胸を弄っていた手が、お腹をなぞり、腰をさする。
それだけでもわたしはゾクゾクするのだ。



そんな手が太ももに触れた。
内側を撫で、邪魔になったスカートを脱がした。



「…はぁ、…っん…」

「…オリ、オリ…」




下腹部に触れた手がするすると降りてきて、下着越しにソコに触れた。



「ひぁあん!…ゃ、あ…ん、だめ…」

「…もう、濡れてるぞ…?」



何度も何度も指が行き来する。そのたびに背筋を震わせた。



気づけば、自分でもわかるくらい下着が濡れていた。

下着に手をかけられた私は少し困惑して、彼の手をつかんでしまった。


それに気付いた隊長は優しく笑い、自分も衣服をすべてとった。


「これでおあいこだろう?」



そう言ってまた優しくキスをされる。

鍛え上げられた彼の体は美しくて、その傷跡と肉体が隊長は男なんだと実感させた。




するすると下着を脱がされ、私も何も纏わない姿になる。
羞恥心からか膝を強く閉じたものの、隊長によって開かれる。


「…や、ぁ…見ないで…」

「オリ…可愛いな…」


彼の指が触れたそこから、くちゅ、と音がした。
卑猥な水音を立てながら何度も行き来される指。


「あぁっ、ん、やだぁ…」




指の上下の動きがとまり、中心部をぐっと押される。



「力、抜いていろ…。」



肩に掛っていた力を抜いて、めいっぱい呼吸して。




快感でよくわからなくなった脳を再起させようとした瞬間、何もいれたことのないソコへ指が入ってきた。



「ん、ぁ、ああああ!指…っ、指、入って…!」


「…、狭いな…」



そのまま、中を押し広げるように動かされる。
指が動くたびに内壁が擦られ、大きな声が漏れてしまう。


「ぁ、あぁっ、んっ、たいちょ…っ」


経験したことのない快感、大好きな彼から与えられる刺激。いろんなのが混じり合って、思考が止まりそうになる。





指を抜かれ、隊長が覆いかぶさってくる。

熱っぽい視線から、これからする行為の激しさを受け取った。



「もう少し足、開けるか……?」



いわれるがままに開けば、宛がわれるそれ。初めて触れた、クラサメ自身。熱くて、堅くて。

よりいっそう顔がかぁっと熱くなった。



「…いいか?」

「……、うん」



言葉を合図に、熱いものが体の中へ入ってくる。


「あ…、…隊長の、入ってくる…!」



だけど受け入れる痛みは多くて、涙がこぼれる。
気づいたらシーツを握りしめていた。


そんな私に気付いたのか、キスをくれた。


「ん…、っ…んぅ…」



痛みを分かち合うようなキスに夢中になれば、もう全部入りきっていた。




息が止まりそうな圧迫感。
中で感じる、熱くて大きいもの。

鼓動を打つ、彼の自身。


―――やっと。やっと一つになれたんだ。


その嬉しさからまた涙が出てくる。






「はっ…オリ……っ、大丈夫か…?」


彼も苦しいのか、息を詰めていた。




だいぶ痛みも和らぎ、ほんの少しだけ、余裕を気取る。


「大丈夫…。動いて、…っ」




今度も言葉を合図に、動き始める。

でも、やっぱり痛かった。
必死で彼にしがみつく。

「おね、がい…、ゆっくり…っ、少しずつっ…」



ゆっくりゆっくり、腰を動かしてくれる彼。

動くたび中で擦れて、痛いのもあるけど確実に少しずつ快感の波が来ている。


くちゅくちゅと結合部から漏れだす音が卑猥だ。




「ぁ、ぁん、っ、あ、たいちょ…」


少しずつ大きくなる動きに、声も漏れていく。

腰が揺さぶられる度に体が甘く痺れる。




「ね、…もっと動、いて…良いよ…っ」


だんだん大きくなる動きといっても、そんなに大きくは動かない。


もっと大きな快楽を。
そう思った私は彼に訴えた。





そうすれば、片膝をぐっと肩までおられ、急に動きが激しくなった。

膝を折られ、より密着するようになったから、熱くて大きいものがより一層深くまで突き刺さる。


「あぁぁっ、あっあっ、んっ…奥まで…っきてるぅ…!」



熱い熱い、彼の熱さがお腹を伝って頭まで駆け巡る。

意識しないうちにぎゅうぎゅうと中で締めつけていたようで、気が付いたら隊長は顔をしかめていた。



「は…、っく……」



隊長も息を詰めている。


腕を隊長の首へまわせば、それにこたえるかのようにきつく抱き締められる。

直接触れ合った肌は熱くて、温かくて、少し汗ばんでいた。




そのままどんどん下半身が麻痺するような感覚に陥って、溢れる喘ぎ声が止まらない、止められない。

頭もそのうち真っ白だ。



「あ、あ、あっ、ぁあ、ダメぇ…!あ、たま…っおかしく、なっちゃ…ぁあっ!」

「オリっ…、オリ……!」



恥ずかしいくらい甘い声を吐かされて、中をぐちゃぐちゃに掻き混ぜられて。おかしくなるのもいいところだ。

静かな部屋の中に二人の喘ぎと結合部から漏れる卑猥な水音、あとベッドのスプリングの音。


奥ばっかり突かれて、なんだか涙がでてきた。

その涙を、荒い吐息とともに隊長が舌で舐めとる。



激しい動きの最後、一層深く、私の最も深いところへ、隊長のそれが突き刺さった。



「…あ、ッ――――…!!」


一瞬、一際高い声で喘ぎ、私は達した。
全身がぴんと固まり、それと同時に意識が飛びそうなくらいの快感。



「……オリ…―――ッ!」

彼がぎゅっと目を瞑る。お腹の中にしみわたるような熱さに、彼も少し遅れたけど達してくれたんだなと思った。


汗ばむ体を抱き締めあい、唇を重ねた。
―――ずっと、愛されることができますように。













後日、

「ななな、な、何をやってたんだい君たちは…!声を抑えるとかできないのかい…!?」

必死の形相でカヅサが話しかけてきたのは別の話。







END






,.,.,,,.,.,.



部屋の壁に穴開いてたらヤバいね。




カヅサとクラサメ隊長は部屋も隣だったら良い。