思考S


*「君の声を聞かせて」続きチック



Inカヅサの研究室






ごちゃごちゃした研究室に似合わないシンプルなコーヒーカップが差し出された。



「いやぁ、クラサメ君が自分からここに来てくれるなんて!もしかして被検体になってく…ハイ、ゴメンナサイ」



軽く睨みつけながら受け取り、カップに口をつける。



私がここに来た理由は特になかった。

ただ今日は休暇なのでぼんやりしていたところ、カヅサの研究室の前の本棚に通りかかったため、顔を出すくらいのノリで入ってみただけである。




「で、どうなんだい」


「何が」


「オリ君とは」




「ッ」




危うく吹き出しそうになった。




「いやぁ、照れなくてもいいじゃないか〜。ラブラブしてるんだろ?」



コイツは何を見たんだ。

とりあえず、はぐらかしてみることにしようか。



「…何のことだ。」


「何のことだって……よくも教室の中でイチャイチャしてたくせにシラを切れるよね。エース君が教室から出てきて急に固まってたから僕も覗いてみたんだけど。」





教室……エース……。


物凄く覚えがある。




「……! お前まさか…!」

「そのまさか。本当に嫉妬深いよねぇ。」




多分、オリを教室で抱いたことだろうか。
エースが出て行ったから油断していたが、まさかよりによってコイツに覗かれていたとは。

理解した途端に全身がカ―――ッと熱くなる。



「エース君が教室から出て行ったことを見計らって激しくしたようだけど、声が漏れてたみたいだね。ダメだよ?急に激しくしちゃぁ…」



マズい。この私があんな場所で、しかも生徒を……。

その時は何も考えず目の前の蜜に食らいついていたものだが、今考えなおすと自分は教官としてありえない行為をしてしまったと痛感した。



「……ッ、お前…口外していないだろうな……?」


「大丈夫だよ。僕だって、大事な親友を首チョッキンに追いやるほど非情だとは思ってないし。」


カヅサは手で自分の首を切る真似をしてみせた。




「でも僕にとっては美味しい材料だったね。クラサメ君が生徒にあんなことする人だとは思ってなかったし。」




意地悪そうにニヤニヤしながら見つめてくるもんだから、目をそらすしかない。




「で、クラサメ君はオリ君に"ご奉仕"とかさせてんの?」




「は?」





ゴホウシ?



「なんだ、その、"ゴホウシ"というのは…」


「ええええ!クラサメ君、ご奉仕も知らないのかい!」



たまげたもんだ、とか言いながらコーヒーをすするカヅサ。

一体何なんだ。


考えていたらカヅサが手招きした。



「耳貸して?……ご奉仕って言うのはね…」
















「……っていう事。分かった?」


「…ッ、女性にそんなもの咥えさせるのか…?」


「すべては愛だよ愛!」




愛…。

その言葉を聞いた途端、妙にご奉仕という言葉が魅力的に感じられる。



ご奉仕に魅力を感じるのもそうだが、行為に関してもっと知識がほしい。

―――たとえば、オリが悦び、溺れるような…。





と思うと、こう聞かずにはいられなかった。



「カヅサ!もっと教えてくれ!他の事とか、とにかくオリが私に溺れるようなことを……!」


カヅサは一瞬目を見開き、すぐにいつもの笑顔で、



「―――待ってたよ。」


こうして性行為勉強会が始まったのである。














「――――ってな感じで、少し噛んであげるんだよ」

「!! …そんなことしたら痛がられるだろう…!」

「いやいや、女の子はね、そういうことを好きな男性にやってもらうと痛いどころか気持ちいいらしいんだよ」

「そうなのか…」

「特にオリ君なんかは少しマゾヒスト体質だから、絶対悦ばれると思うよ。あ、悦ぶって悦楽のほうの悦ぶだからね?Happyの喜ぶじゃないからっ」












「―――っ、馬鹿か!女性を…しかも愛する人を縛るなどと……!」


「しーっ!声デカいってクラサメ君!」



次はロープで腕を拘束するということについて。

最初はまずい気がしたものだが、少しだけ、縛ってみた姿を想像する。




『隊長…っ、痛いよぉ…!』

『…ぁ、っあ、…もぅ…っ許して…!』



…………。


「―――なるほど、イケる。」

「でしょ?クラサメ君。」













「―――で、極め付けが"寸止め"」

「何だ、それは」

「相手の女の子がイきそうになったところで止めるっていうヤツ。」

「……そんなことをしたら嫌われるんじゃないか?」

「いやいや、大体イきそうな女の子が寸止めされると"早くイかせて"とか"なんでやめるの?"とか思うんだよね、意外なことに。最初は性行為自体イヤイヤだった子もそうなることが多々あるんだよ。」



「…………」




『…あ、ダメ…イ、―――隊長…?…っ、なん…で、やめるの…ッ?」

『あ、っん…ぃやぁ…お願いだから…っ、イかせて…よぉ…!!」




「―――なるほど、これもイケる。」












「…以上で大体のことは教えたつもりだけど」

「……ああ、感謝しとく。」




勉強会も終わり、時計の針はそろそろ8を指そうとしていた。


「いい感じの時間じゃないか。…彼女のこと喜ばせておいで?」

「…ああ。」



早速教わったことを実践に移すため、私はクリスタリウムを出、オリを探し始めた。







(―――ロープはどこにあっただろうか。)







END





,.,.,.,..,.,.,.



じゃじゃじゃーん!
またやらかしましたコラァ!




クラサメさんって大体の行為は分かるけど、最初はそこまでマニアックじゃないと思うんですよ。
カヅサたんにいろいろ教えられて鬼畜攻めに目覚めればいい。

でもあまりマニアックなのは書けません(玩具とか…)
私がそういうのキライなんです…。