君の声を聴かせて


*クラサメと恋人設定



「……」




私は渡されたテストに絶望している。

右上にきれいな字で書かれてある悲惨な点数。


極め付けに赤点、と。





「…以上だ。各自速やかに自室へ戻るように。」

「みんなお疲れ様クポ〜!」



言葉を合図にそれぞれ教室から出始める。



だけど私の場合。

「うがぁー!」


言葉と同時に雄叫ぶ。



なんなんだこの点数!
私ちゃんと勉強したよね!?ね!?




実は今回のテストは自信があったのだ。

だが何かの覚え間違いでこんな点数になってしまった。



今日みたいに点数が悪かったときは、決まってトレイに聞きに行く。

「おや?どうしたのです?」

「トレイ〜!教えてくれぇー!」

「この私にかかれば、あなたは絶対次に100点とれますよ!さぁどこですか!」

「…(調子のってる・・・。)」



んでもっていつもリフレッシュルームでトレイの補講を受けている。

二人でぎゃいぎゃい話しながら魔方陣に乗る。



そこで私は気付かなかったのだ。

私を見つめる『冷たい目線』に。






(クラサメ視点)



何故だ何故だ何故だ。
なぜオリがトレイと一緒に歩いているのだ?
しかもやけに肩が近いし…。



私はクリスタリウムに資料を置きに行った帰りに信じられないものを見てしまったのだ。
自分の恋人が、あろうことか自分以外の男と歩いているではないか。


彼女の事だから悪気はないと思うが…。



だが胸の奥で湧き上がる黒いものはなんだ?





ヤケにイラついてきた私は、仕置きをしなければ、と考えた。








(夢主視点)




「たい…ちょぅ…?」




壁に押さえつけられながら、若干の光を帯びる常磐色(ときわいろ)の瞳に睨みつけられる。
いつものクラサメのようなクールだけど優しい瞳の色ではなく、完全に冷めた常磐緑に見つめられるのではなく睨まれているもんだから、動けなくなる。

彼の魔力からか、体も少し冷たくなってくる。



どうしてこんなことに?私はトレイの補講の後に、教室に忘れ物をしていたことに気づいてきただけなのに。




少し薄暗くなった教室で彼の瞳の色は少しだけ光っている。




ドキドキと高鳴る鼓動は彼への愛ゆえにではなく、


『殺される』


と同じような高鳴りだった。







クラサメはマスクをはずして、ぐっと私の耳元に口を近づける。

今度はそんな艶やかな動きにドキッとした。



ふ、と息を吹きかけられると、息が全神経を伝うかのように甘くしびれる。



「、…?」


「私の前で他の男に近づいたりして、そんなに私に襲われたいのか?」


「……!」




トレイの事だ。大魔方陣からリフレッシュルームへ行ったのだからクラサメからみられていたのかもしれない。
というか見られていたのであろう。



「っあ、あれはトレイにテストで間違ったところを教えてもらうために―――」

「だったら私に聞きに来ればよかっただろう?」



そう言って彼は乱暴に私の唇を奪った。





「んぅ、っ、…っ」



執拗に舌を絡められて、吸われて。
口の中を犯されるというのはこういうことだろうか。


彼の熱い舌が口の中を這いずり回って、私の呼吸を奪っていく。


もう逃げられない。





そのまま熱い口付けが終わると同時に、制服を乱暴に乱されていく。



「ちょ、隊長…ッ」

「お前が完全に私のものになるまでやめない。」



かぁぁぁ、と顔が熱くなる。
そんなキッパリ言わないでください。


ぐい、と衣服を開けられ、下着もホックを外され、奪われる。




冷たい空気が肌に触れて、あとは羞恥心。


クラサメの冷たい手が私の胸を滑る。

「ぁ、…んっ、隊長…」



「綺麗だ…オリ」



ぐ、と胸をつかまれ形を変えられる。

そのまま先端を口に含まれ、声が漏れる。



「ん…あ、や…」



クラサメから与えられる刺激と冷たい空気のせいで、全身がゾクゾクする。


首元、耳にも口付けを施していき、痕を残す。



するすると手が下りていく。



おなか、腰、足、太股まで、ぜんぶ触れられる。

神経を撫でまわすかのような動きに、もだえ、喘ぎ、乱される私。




顔をあげ、また口づけてくるクラサメ。さっきみたいに乱暴なキスではなく、こんどは幾分か優しくなっていて安心した。




スカートの中をもぐり、下着の中へ入ってきた手は、濡れた感触を感じるように動かされる。


「もう濡れてるぞ?私に強姦まがいの事をされて濡らしたのか?」

「っちが…!」


意地悪に甘く、キスの間に囁かれる。



くちゅくちゅと音を立てて動かされる指に、私の思考と脳が溶けていくようで。ただ視界がぼやけていく。



「あっ、ん…ぅ…」



つぷ、と音がして、クラサメの細くて長い、冷たい指が差し込まれる。


「中、熱いぞ…」

「ん、やぁ…っ…ぁ」


彼の指が冷たいせいでより鮮明に彼の指の動きがわかる。中で指を曲げてみたり、ぐっと奥へ差し込んでみたり、私を弄ぶように指が動く。


急に指を抜かれ、教壇に手を突かされる。クラサメに背を向けるように促されて、こんどは下着をおろされる。


カチャカチャとベルトをはずす音がして、これから何をされるのか理解できた。
これまで何度か彼と肌を重ねてはきたけど、こんな体制でされるのは初めてだ。



ぐ、と熱いものが宛がわれて、意を決したように挿入される。


「あぁぁっ、たいちょ…あつぃ…っ!」
「…くっ…」


熱いものが私を貫く。腰を揺さぶられ、中をえぐられる。



「ぁ、ぁ、んぁ…っ、」



頭がぼうっとして、快楽に飲み込まれる。
彼も感じてくれているようで、私の耳元で甘く息を漏らす。


そんな彼の吐息で全身がしびれてきて…。








だが。



ガチャ


「!」



戸が開く音がして、一気に心が汗をかき始める。

まずい、見られる…!




暗くなったおかげで誰が入ってきたかは見えなかった。




「ン…!」


教壇に隠れるように座ると、いわゆる背面座位の体位になり、いっそう深くクラサメの熱いものが差し込まれる。




「教科書忘れてた…。」




この声はエースだった。

カツカツと歩く音が聞こえる。



私は声を出さないようにクラサメに口をふさがれている。






「…他の男に近づいた罰だ」


急にそんなことを聞かれ、「え?」と聞き返そうとしたら。




ずん

「ッ!?」



下から突かれた。
そのままうごきが止まることなく揺さぶられ続ける。



「…っ、声、出すなよ…ッ」



熱い吐息とともに囁かれ、身震いする。



こんなところで声を出したら、エースに見られてしまう。
羞恥心から声を出さないようにするが、


「ッ、…んっ」



ずんずん突かれることによって出てしまう喘ぎ。クラサメの手によって塞がれた口からわずかに喘ぎが漏れる。




ガサガサという音がして、また扉のほうへ向かう足音。




その間にも激しく突き上げられて。






バタン、という音がした瞬間、


「よくできた。褒美をやろう。」



くるりとクラサメのほうを向かされ、床に押し倒される。


そのままさらに激しく突かれる。



「いやぁ…!たい、ちょぉ…!」

「はぁ…っ、はぁ…っ」



気づけば自然と足をクラサメの体に巻きつけていた。



「…もぅ、他の男に近寄るな…っ!」

「わかったぁっ、わかったからぁ、あああっ!」




ずぐん、と最奥を突かれた瞬間、


「や、あ、イっちゃう…!い、あああああっ!」

「オリ…っ、…くっ」



ぎゅぅ、と腕でも中でも彼を締め付け、達した私。
彼も達してくれたようで、どくどくと熱いものでお腹が満たされた。





そのまま教室で、暫く余韻に浸っていた。











「隊長、もしかして嫉妬?」

「…」

「そっか、ありがとう。でも好きなのは隊長だけだよ?」

「…そうか」





END





,.,.,.,,.,.,.,.,.




見られそう!というのを書いてみました!
彼の嫉妬はたぶんすごいと思います!