姉と弟Remix-2


「…いくよ?」
「あ、あぁ……」

緊張した面持ちのクラサメ君が可愛いとか思う。
でもそれを口に出すとクラサメ君は顔を真っ赤にして怒るのだ。
―――可愛いからいいけどさ。





前からクラサメ君は"こういうコト"がしたかったらしい。
だけど彼は根っからの真面目っ子でファーストキスも私がもらっちゃったくらいだし、必然的にチェリーボーイ、もとい童貞ってことになる。
だからなかなかシたいって言い出せなくて、ずっと悩んでたんだって。

で、さっき――1時間くらいまえかな?――クラサメ君の部屋に届け物をしに行ったら、絶賛自己処理中だったわけです!
ノックもしない私も悪いけどさ、せめてトイレでやりなよ…。
とりあえず、入ってすぐ見えるところにあるベッドに座って、しかもドアに鍵も掛けずにするのはご遠慮願いたいなぁ。
なんでかって?そりゃあ、クラサメ君の可愛い姿を誰にも見せたくないもん。





クラサメ君に跨って少し腰を下ろしたら、クラサメ君の滾ったものが当たる。
――初めてってか年下の癖に結構大きいのね。
いろんなことを考えながら彼の意外とかっちりとした胸板に手をつき、腰を一気に落とした。


「…っ、ぅあ……!」
「っく―――」

前者がクラサメ君の喘ぎ、後者は私。
流石にいきなりの挿入は私もこたえるので目を瞑ったが、何やらナカが熱い。
とぷとぷ、と何かが注ぎ込まれてる。


「え……?」

瞑った目を開いてクラサメ君を見ると、そこには体を震わせているクラサメ君。

「ふ…、っく……」

一通りナカに出し終わったようで、私の中にあるクラサメ君の硬度は無くなった。
つまり……?


「もしかして、入れただけでイッちゃった……?」

恐る恐る聞いてみると、クラサメ君は潤んだ瞳をカッと開いて自分でも驚いていた。
そして見る見るうちに顔が赤く染まっていく。









「す、すまない…!」

俺は咄嗟に謝った。
彼女より先に、しかも入れた瞬間に達してしまったなんて恥ずかしいにも程がある。


「んー、まぁいっか」

その言葉に一瞬安心した。
よかった、この恥は見逃してくれるのか。
んでもって俺は行為を再開するのかと思った。

だが。

彼女はニコニコしながらナカから俺のモノを抜き取り、そのまま俺の横に寝転がった。
…あれ?

「あの、オリさん…、続きは…」
「え?クラサメ君が満足したから別にいいよ」

と言うオリさん。
冗談じゃない、セックスってのは先に女性がイッて、その締め付けにコッチもイくんじゃないのか?
少なくとも"教本"にはそう書いてあった。
俺だって、オリさんのイく姿を見たい。
もっとオリさんを味わいたい。

そう思った俺は隣のオリさんに覆いかぶさっていた。

「え、どしたのクラサメく…っん…!」

まず黙れ、というかのように唇を奪った。
さっきしてもらった大人のキスを真似るように、舌を侵入させて、息を乱して。
腕を伸ばして抵抗してきたものだから驚いてその手首を張り付けてしまった。
…なんだか襲っているみたいで興奮する。

ちゅっとリップ音をわざとらしく残すと、オリさんはぷいとそっぽを向いてしまった。

「リベンジしていいですか?」
「……どうぞ」

昂ってしまった自身をオリさんの足の間に擦りつければ、オリさんは照れながらも俺の首に腕をまわしてくれた。










「っはぁ…、どこで…っ覚えてきたのよ…」
「秘密、です」

"教本"の知識をフル活用した結果、オリさんをイかせることができた。
あんなに乱れた姿、あんなに可愛い声で鳴けるなんて知らなかった。

腰砕けになったと思われるオリさんがじろりと部屋の中を見回した。
一瞬ドキッとしたが、心配ない。"教本"はしっかりしまってあるはずだ。
……と思ったのだが。

「何々…、『姉と弟Remix-2 禁断の関係から生み出される濃厚な夜 大人の姉を汁だくにすることはできるのk「うわぁああああ!!」

慌ててオリさんの手から"教本"を奪い取ろうとするが、俺の手は空振り。オマケにオリさんはものすごい意地の悪そうな顔をしている。

「へぇ…、クラサメ君ってこういうのが好きなんだ?」
「ちっ、違…」

違います、と言おうとした瞬間、頭の中に思考がよぎった。
このまま恥ずかしがっていたら彼女の思うつぼではないか。

少し考えて俺は言葉を発した。


「あぁ、好きだ(姉弟モノも、オリさんも)」


オリさんはポカンと口を開けた。







END