泡の香りに魅せられて


*既婚設定












いやいやいや、私は拒絶したよ?

うん。
















今日は寒い寒い師走のある日。

外は真っ白。

乾燥しているせいか、冬の星空もよく見える。



私はすごく冬が好きだったりする。

美味しいものいっぱいあるし。




まぁ美味しいものの事を考えながら、コーヒーを飲んでいたわけですが。






がちゃ、と扉が開く音がした。




帰ってきた。

旦那が帰ってきた。



急いで玄関まで迎えに行く。





「おかえりなさい。」

「ただいま、オリ。」




作って置いた今日の夕飯をささっとテーブルに並べ、自分の席に着く。




部屋着に着替えてきた旦那と向かい合い、今日の夕飯である肉じゃがをほおばった。


我ながら上出来。










夕飯のあと、いつもならテレビでもみながらゴロゴロするのだが、いつもより寒いので先にお風呂に入ることにした。



で、立ち上がろうとした。






 の だ が。




「オリ」



はいはい、何でしょう。私は早く風呂に入って温まりたいのです。



ほんの少しの間、クラサメ君は軽く下を向いた。

実は『ほんの少し下を向く』という動作は、クラサメ君がもじもじしているというのを表している。


何をもじもじしてるんだ。










「一緒に風呂に入らないか?」


「へ?」



我ながらマヌケな返事をしてしまった。



「いやいやいや!そんなもういい大人なのに二人で入るの!?その前にうちのお風呂そんなに大きくないよね!?」

「嫌か?」



明らかに何か下心のある目線で見つめられる。

下心はありそうなものの、どことなく色っぽい声で聞いてくるので、なんか「NO」とも言えない。


しかもクラサメ君の事は大好きなので、断るのはやっぱりもったいないし。




「……嫌、じゃない…」

「そうか。じゃぁ支度しておけ。」



そう言って自分の部屋に消えていった。




どうしよう、すごく恥ずかしいんだけど……!!















タオルと、あがってから着る服を用意し、脱衣室の戸をあける。



その戸をあける腕が若干震えていた。




(な、何、動揺してんのよ…)




開けてみると脱衣室には彼の姿は無く、タオルその他が綺麗にたたまれて置いてあるので先に入っている模様。




『早く入ってこい』



バスルームからクラサメ君の声が聞こえる。




これは早く入らないと後が怖い展開っぽい。

さぁ、服を脱ごう…(泣




ぽいぽいと服を脱ぎ、洗濯機に放り込む。


恥ずかしいのでタオルを身にまとった。




がんばれ。がんばれ私。



意を決してバスルームの扉を開けた。







気温が低いせいか、湯気がいっぱいたっていて少し気が楽になった。



「どうした、早く入れ。」



何食わぬ顔で浴槽に入っている。

この野郎、私の大好きなその鎖骨を見せつけやがって…!



少々挙動不審になりながらも体を軽く流し、湯に足を付け、そろそろと肩までつかった。



「……オリ」

「何よ」

「なんだこの距離は」



浴槽の端っこに縮こまる私。


そりゃそうだ。
恥ずかしいからこうするしかない。

でも入浴剤がいれてあるので下半身を見られることはまずなさそうだ。



「……恥ずかしいもん」

「…そっちにいると余計に見えるんだが。」

「だってクラサメ君のほうに行けば体触るんでしょ?」

「……」


ほら当たった。



「ダメだよ……私はすぐ逆上せるんだから…」

「……触らないから此方に来い」



ギン、と睨まれた。


いやいやいや、嫁に対してそれはないだろう。




今回も逆らったら明日起き上がれなくなりそうなので、ここは言うことを聞こう。


ああああ、恥ずかしい。




胸を腕で隠しながら、ゆっくりそっちに近づく。



彼に背を向けるように、彼の長い脚の間に入る。




「意外と積極的なんだな。」

「…ッ!っるさい!」



すっぽりはまった私の体にクラサメ君の案外しっかりした腕が絡まってきた。


腰を引き寄せられて、お湯のなかで素肌がより密着する。

堅い腕に、しっかりお腹を抱きこまれる。



「いいだろう、これくらい……。」

「〜〜〜ッ!!?」



耳元で熱のある声で囁かれると、私の体はビクついた。

色っぽく、掠れた声で、そして耳元でというところがなんとも意地が悪い。



お湯に浸かってる分いつもより温かい彼の体温を感じながら、心臓がバクバクバクバクうるさい。






はじめのうちは黙って抱き締められるだけだったのですが。


「ぁ、ちょっと…っ」


後ろから首筋に噛みつかれた。


噛まれたところからじんわりと広がる甘い痛み。そこから熱い舌が這わされた。



なんだよぉおおおお!
逆上せるからダメって言ったでしょぉおおお!



やばいぞこれは!
これは止められなくなるぞ!


「…すとっぷ…ストップストップ!」


絡められた腕を解き、立ち上がる。




ざぱぁ、と少しのお湯が浴槽から出て行った。




何か…、何か言い訳しなきゃ…!


「……、わ、私、体洗う…から…!」



これで手出しできないはず…、そう考えた私が莫迦だった。












うちのお風呂には腰かけるものが一切ないので、基本的に立ったまま体を洗うか床に膝をついて体をあらう。




私はたったまま洗う派なんだけどね。



とりあえず浴槽から出てボディーソープを手に取ろうとした瞬間。




「…私が洗ってやろう」

「……きゃあ…っ!?」



いつ浴槽から出たんだ!

またしても背後から抱き締められる。
私の背中と彼の胸板が密着し、心臓がうるさくなる。




「ちょ、本当にいいから…!」

「…遠慮するな」



慣れた手つきでボディーソープを手に取ったクラサメ君。

そのまま素肌に、その手が這わされる。


「ん…、クラサメ…く……」



腕、肩、脚、背中…と、探るような手つきで撫でまわす、もとい洗われる。

少しずつ泡は立ってきているものの、多分クラサメ君は泡だてることを目的としていないから、ひたすらぬるぬるするだけ。


脇腹も通ったりして、すごくくすぐったい。




床に座るように促され、お湯で濡れた床にお尻をつく。

こんども、クラサメ君の脚の間に入るようになっていた。




座った後、さらにその手はお腹を洗い始めた。


「………っ」



脇腹からお腹へ、お腹をさするように。

クラサメ君の温かい手が何度も行き来する。




そして手が胸へと昇ってきた。


「…んぁ……ッ…!」



先ほど存分に撫でまわされた体はすでに敏感になっていて、少し胸の形を変えられただけで、恥ずかしい声が浴室に響いた。


そのまま胸を丹念に洗われる。

泡がぬるぬるしていて、なんだか変な気持ちになってきた。



「…胸、少し大きくなったんじゃないか?」

「やだ…ぁ、知らない…わよ…、んぁああっ!」



触れられなかった胸の先端をきゅ、と摘まれた。


ぞくぞくと背中に快感が走り、私は身をよじる。


そのまま先端を弄られ、忘れることなく胸も揉みしだかれて。




「このくらいで十分か」


その声の後、シャワーからお湯の出る音が聞こえた。

そして先ほどと同じように全身に手を滑らされながらボディーソープを落とされる。



「…はぁ…、…っん…ぁ…」


先ほどの愛撫でしっかり全身に熱を孕ませられた私は、泡を流してもらっている間も甘い吐息を吐き続けていた。

シャワーの水圧ですら、体が跳ねそうなほど敏感にさせられてしまった。




頭をクラサメ君の肩に預ければ、口付けの嵐。




「ん…っ、ふ…ぅ…」

「………ん、」




何度も何度も啄ばむように口づけられた。


不覚にも、うまく回らない頭を回転させて腕を首に絡めていたことも事実だ。



唇を離すと、私と彼の間に銀の糸が光っていた。

クラサメ君の表情もどこか恍惚としていて、それでいてとても色っぽくて。






クラサメ君はシャワーを止めた。




私の膝に手をかけ、ゆっくり開いていく。





「…ん、…やだ、やめてぇ…」




酷いことに、うちのお風呂には大きい鏡があって、しかもそれは全身収まるようなサイズだった。


はしたなく足を開き、お湯じゃない、透明な蜜をそこから溢れさせている自分が映っていた。



くぱ、とソコを指で広げられ、私は羞恥で俯いた。



「見えるか?…ほら、こんなに濡れてる…」




ピンク色をしたソコからとめどなく溢れてくる蜜。次から次へと出てきて、止まる気配がない。

指で広げられてるだけでゾクゾクしてしまい、なおさら蜜が溢れだす。



だけど、確かな快楽はそこには無かった。

ただ、指で広げられてるだけで、何もない。


そんな状態に私は我慢できなくなった。



「…ん……、は…やく…っ…!」



そう言ったら、そこを広げていた指が離され、代わりに指が入ってきた。



「んぁああ!…ぁ、んぁ、くらさめ…くん…っ」



鏡に映ったソコに、クラサメ君の細長い指が出たり入ったりしている。

恥ずかしくて見たくないと思いながらも、私は鏡に映る自分の姿から目を離せないでいた。



中で指が折り曲げられたり、弱いところを執拗に擦られたり。



指がもう一本ふやされ、中でバラバラに動かされる。



「やぁ、ん、あ、あっ…、わたし…っ、もう…!」



中をぐちゃぐちゃにされて、体をビクつかせて、私は絶頂に近くなっていた。





その瞬間、指の動きが急に早くなった。


「あ、やぁ!っあ、だめ!そんな…早ぁ、ぁっ!」




くちゅくちゅと、お湯とは違う粘着質な音が浴室いっぱいに広がって、反響する。



―――本当に絶頂を迎えようとした時、


『やだ…!急に、我慢できなく……!』


急に襲ってきた、排尿感。


だが、一瞬の間もなく、私は達した。



「ん!あ、あ、ダメ…出ちゃ…、ッあ――――――!!」




頭の中が真っ白くなるほどの快楽、それと同時に、ぷしゃ、と水の弾ける音がした。

全身がピンと固まり、固まったと思った足がガクガク震えている。



指を引き抜かれ、極度に緊張した体から力が抜けて完全に体重をクラサメに預けた。




「…や、だ…、でちゃ…った、…ん」

「…驚いた、まさか潮を吹くとは思ってなかった」


「し、お……?」

「ああ、羊水のことだ。オリのここに入っているだろう?」


そういうと、クラサメ君は私の子宮のあたりをさすった。



そっか、よかった…。

夫の前で失禁だなんて首つりでもしようかと思っていた。




「…続きはベッドで……な?」





彼は意地悪く微笑んで、私をだっこしながらまた浴槽に浸かった。









END



,.,.,.,.,.,.,.


念願のお風呂ネタ

名前変換が少ない…!

申し訳ありませんでした;