むずがゆい




「たいちょー」




今日も来た。

なぜだかここ最近、昼頃になると必ずと言って良いほどオリが私のところに来る。





「なんだ。」


「隊長って何歳ですかー?」





質問をしにくるようだが、質問の趣旨がバラバラで何がしたいのかてんで分からない。


昨日は「何センチですかー?」
一昨日は「カラコン入れてるんですかー?」

だった。





答えられない質問ではないので、なるべく答えるようにはしている。





「……26だ。」


「ふーん。」





質問してくるのは構わないのだが、



「………(じー)。」




ガン見するのはやめてほしい。






会話がなくなり、気まずかったので。


「……良い天気だな。」




「そうですねー。」





こんな日は外のベンチで資料を読もうとしたのだが、やはりオリが来た。

……360°クラサメレーダーでも持っているのだろうか。




「んー、眠くなってきました。」




「そうか。」




なら自室に行け、と言おうとしたのだが。



「お膝元失礼しますよー」





「…!?」





その瞬間、オリは私の膝に頭を置き、俗に言う『膝枕』状態になった。



「じゃあ失礼しますー」



「…おい…っ」





そのまま寝息をたて始めた。






動こうにも、かわいそうなので動けない。





あと、さわさわなびく髪のせいで腿がむずがゆい。







...,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,..



(ありゃ熟睡してるよ。)
(何イチャついてんだよコラァ!)
(クラサメ隊長〜顔赤いねぇ〜)
(たぶん赤いの自覚してないよねー)





隊長は無意識赤面で。

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