どろん



朝起きたら。



「ん……朝か…。



 って、え?」






やけに自分の声が野太い。


誰かの声に似ている。





風邪でも引いたのだろうか、だが喉は痛くないので風邪はひいていない。






まずは顔洗わないと。

そう思い私は洗面所へ行くのだけれど、




重い目をこすりながら顔を洗い、鏡を見ながら髪の毛を整えようと鏡を見たところ。















「………ぅえええええええッ!?!?」








鏡の中には私じゃなくて、クラサメがいた。








「え、ちょ、マジで…?嘘でしょ…?(泣」



ぺたぺたと体を触り、確かめようとしてるけど、

手は男の手
髪の毛は短い
背も幾分高い
筋肉がついている
オマケに胸がなくなっている。



「うわぁ…、ホントだよぅ…。でも一体誰が…?」




部屋を見回すと私の部屋じゃなくて、クラサメの部屋。



よく来る、恋人の部屋。







「うおおおおお、意味わかんね…」




まずは着替えて、それから私の部屋に行ってみることにした。


「…着替えるにしても、どうやって着るんだコレ…」















「…『おはよう諸君』、いや、違う・・・『やっほー!』…これも違う・・・。」




さすがにあの氷剣の死神が実はオカマだったとか噂をされるのはかわいそうなので、元に戻るまでクラサメになりきろうと決意したのだが。



「クラサメ士官おはようございます!」


「! あ、お、お早う…」




ちょっと辛い。

というかいつもあってるはずなのに全く彼の口調が分からない。














コンコンと2回ノックする。


「…コホン、オリ、いるか?」





しーん。




「…はいるぞ」




なんかなりきってるのも照れくさいなとか思いながら入る。






部屋は変わらず私の部屋。



隅っこのベッドにかぶさっている布団はすこし膨らんでいて、誰かいるのは分かった。





「……失礼します」


あああああああ自分が入っていませんように。とか思いながら布団をはぎとる。





「…zzz」







案の定、私がスヤスヤと寝ていた。



「…(ああああヤバイ、これ絶対クラサメさんと入れ替わりフラグだよねぇ…!)」




心の中で騒いでいると。






パチ、と私(クラサメ?)が目を開けた。






「…!?貴様、何者だ…?」






おおう、私怖い。目据わってるよ。




「あの…クラサメさん?」



「貴様に名前を呼ばれる筋合いはない!」



そういってブリザガを唱え始める私(クラサメ)。






「私です!オリです!」





そしたら、驚いたように目を見開いた



「オリ…? ……!」




言うなり、ベッドを抜け出して鏡を見始める私(クラサメ)。




数秒、固まる








「うわあああああっ!!?」

























「起立、礼!着席!」

クイーンが挨拶をする。



私はもちろん教壇に立っているわけだけども。


『これを読んでいればだいたい授業になる』といわれて渡された資料を読み、講義をする。







あのあとカヅサを問い詰めたところ、原因はやはりカヅサだったが戻るまで2日かかるということだったので、2日間入れ替わり状態でお互い過ごすことになった。





「教科書78ページ…」






なるべく彼の口調に似せて講義をするが、ぎこちない。





当のクラサメ本人は、なぜかマジメにノートをとっていた。






(勉強する必要ないじゃん…)









(続く。)




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入れ替わりネタを一回やりたかったのでやってみました!

続きます。マジメに続きます。