怖いこと


「………」


私の中には今、何かが入っている。

なぜこれを入れられたのかというと、私が課題を出さなかったからだ。
…にしてもこれはやりすぎではないか。






―――昼休み



「お腹すいたなぁ〜…っうわ!」


いきなり誰かに手首を掴まれて、廊下を歩いていた私は空き教室に連れ込まれた。


「誰っ!?」
「私だ」
「く、クラサメ…?」


扉を閉めろと一言言われて、私は空いている片手で扉を閉める。
すいませんと謝ってマスクのないクラサメの顔を見ると、なんだかとても怖い表情だ。


「課題を出さねば怖いことになると、前に私は言ったな?」
「う、うん」
「お前の課題が出されていないぞ」
「う…」


そう言えば出してなかった…というか出したことあったっけ?
でもやばい、クラサメの眉間にたっぷりと皺が寄っている。


「で、でも!ナインだって出してないんじゃないの?」
「残念だったな、ナインはこないだ私が捻りつぶしたので今回は期限内に提出した」
「捻り…!?じゃあシンクとジャックは……っ」
「それもハズレだ、今回はお前だけが提出していないぞ、オリ」


じりじりと教室の隅に追いやられる。
どうしよう…、まだ手すら付けてないし…!
追い詰められている状態が悔しくて、私はクラサメに背を向けた。


「私は出さないもん!」
「ほう、そうか…」
「絶対に出さないから…って、きゃあっ!」


後ろからがばっと抱きすくめられた。
脇の下から手が伸びてきて、私の控えめな胸に覆いかぶさった。


「ちょ…っ、何すんの…!?」
「言っただろう、課題を出さねば怖いことになると。だが」


お前には恥ずかしいことのほうが利きそうだ、と耳元で吹き込まれる声と吐息に思わず身震いした。
だけどその言葉の意味が分かった瞬間、ざぁぁあっと顔が熱くなった。


「やっ!やだ、こんなところで…っん!」


制服の中に入ってきた手が下着をずらし、直に触られる。
くりっと冷たい指が先端を弄って、出したくもない恥ずかしい声が出てしまう。

恥ずかしいのもあるが、何よりこんなところで強引に事に及ぼうとすること自体が怖かった。


「やめてよ…っ、怖い…!」
「大丈夫だ、すぐに終わる」


胸を弄っていた手がするすると太ももを伝って、熱くなり始めたそこに下着越しに触れた。


「んっ、ふぁ…、あ…」


敏感な突起をぐにぐにと押しつぶされて堪らなく足ががくがくと震える。
少しずつ下着が濡れ始めているのが分かった。

抵抗する力を思わず弱めてしまうと下着を膝まで一気に下ろされ、冷たい指が直接触れた。


「…や、あ…ひゃうっ」


指が突起と膣口の周りを執拗に行き来して、くちゅっくちゅっと水音が鳴ってしまう。
こんなところではしたなく濡らしてしまった自分がどうしようもなく恥ずかしい。

そして攻められる場所が突起に限定されていく。


「ひゃ、ぁ…そこっ、ダメぇ…!」


爪の先で引っ掻かれたり、摘ままれたり、指の腹で執拗に擦られたりと、強すぎる刺激のせいで涙が出てきた。

既に蕩けた膣口に冷たくて固い何かが宛がわれ、ゆっくりと挿入される。
クラサメのじゃない、それより小さい何か。


「あぁっ…、なにこ、れ…っ」
「もっと恥ずかしいことをするためのものだ」


ゆっくりと挿入されていくそれはどんどん奥まで入り、深いところで止まった。
そしてクラサメは何事もなかったかのように私の下着をもとの状態に戻し、私から離れた。


「なんか変、な…気分」
「これを入れたまま、授業を受けろ」


えっと思って振り返ると、そこには意地の悪そうな笑みを浮かべたクラサメ。

途中でやめられてしまったから、私はなんだかちょっと物足りない気分だった。


「絶対に取るなよ」
「そんな…っ」
「返事は?」
「っ…、はい」


仕方なく返事をして、私は異物感を抱えながら昼食を取りに行った。








とまぁこんな成り行きで、現在授業が始まる。


「起立」


一斉に立ち上がる。
異物感のせいで機敏に動けない。
先程弄られたばかりだから、体が敏感になっている。

息を詰めそうになるもののなんとか堪えて立ち上がったのに、次の瞬間に私は思わず体を大げさに震わせてしまった。


「っ!!?」


ヴヴヴ、ヴヴヴと中で振動を始めた。
小刻みに、しかし絶え間なく振動するそれに私は一瞬パニックに陥った。

いきなりの刺激に声を漏らしそうになるが堪えた。
内壁が振動によって刺激されていき、ぞくぞくと快感が体中を駆け巡り始める。


「礼―――」


体を曲げるのも大変で、体を曲げると振動がより鮮明に伝わった。


「着席」


へなへなと座り込んだのもつかの間、座ったために中のものが少し奥へと入ってしまった。

(どうしよう――。声、抑えれないかも…っ)

焦りと羞恥心のせいで顔が熱くなり、どくんどくんと心臓が音を立て始める。
誰かに気付かれたらまずい。
耐えないと―――!

かくして、私の忍耐戦が始まったのである。