パラノイア序曲


あーっもうめんどくさいなぁ!!
私は公認学級代表いわゆる雑用係である。
マザーの頼みだから断れなかなったとか、そんなんじゃないからな!!

しかしなんだって魔導院は酷い。
雑用なんてモーグリにやらせとけばいいのにさ。

イライラしながら山積みの書類を運んで、いよいよ資料室。
こんにゃろー、あの指揮隊長はブラックリストだ!!




資料室の扉にはご丁寧にドアノブが無く、押して開けるタイプ。
両手がふさがっている私はドアに体重をかけ、押しあけようとした。

その時。

押していた重いはずのドアが急に軽くなり、重心がなくなってしまった。
中から引かれた…!?

(まずい、倒れる…!)

「きゃああっ!」
「っ!?」

ドスンと音がして、私は床に倒れた。
痛たたた……って痛くない…?

目を開けて確認したところ、床より酷いものに倒れこんでいた。
しかも、物じゃなくて人。

クラサメ(26歳独身)ブラックリスト登録済……!!

「ふ、ふわぁっ!」

よく考えたらクラサメの胸のあたりに密着するように倒れていたもんだから慌てて上体を起こした。

「…お前……」
「ひっ…」

ゴゴゴ、と音がしそうなくらいの声音で、思わず情けない声を出してしまった。

「早く退け」
「っ!」

やばいぞこれは!死亡フラグ!よりにもよってブラックリスト野郎に跨ってしまっている。
立ち上がろうと足に力を入れたのだが、

「痛っ……」

やば、足挫いた…。
恐ろしさに思わず泣きそうになると、クラサメがむくりと上半身を起こした。
か、かかか、顔近いって…!
とか一人でわめいていたら脇の下に手を入れられ、横に寄せられた。
あ、力持ちなんだな。



「え、あ、ちょ、え?」

そのまま寝かせられた。
なにこの展開。

そのまま、クラサメはさも当たり前のように太ももに触れ、ニーハイを脱がそうとした。

(ええええええ!!?)

驚きの展開すぎて声が出ない。

これはアレか!?アレなのか!?
以下、オリのイメージ。

『や、だめ、だよ…、クラサメ…っ』
『…いいのか?お前の痴態をさらしてやってもいいんだぞ?』
『クラサメ…っ、そんな人だったの…?』
『いまさら気づいたか、この淫乱娘。お前に抵抗する権利はない』
『い、いやぁ〜〜ん、あぁ〜〜ん』

ま、まずい、襲われる…!?
と思った私はセブンに習った護身術を活用した。


「な、なにしとんねんこのエロオヤジがぁぁああっ!!」

ばっちいいいん。

私は教え込まれた罵声と精一杯のビンタをかまし、足を引きずって逃げた。




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クラサメは捻った部分を診ようとして脱がしにかかっただけです。
襲うとかありません。
言葉も足りません。







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