表うらの境目
「だめか?」
「だめです。皆には秘密、だよね?」
浅野は顔をふくらませ、眉間にしわを寄せた顔をした。それでもやっぱりダメなものはダメなようだ。

「関係ぐらい明かしてもいいだろ」
「浅野君はモテるんだよ?」
「その浅野君ってやつも直せ」
「直したら関係がバレるよ」と、彩花は浅野の隣から少し距離を置いた。この人は何をしてくるか分からない。

「……じゃあいいよ。家でするから」
学校とは大違いの態度。それは彩花を大事にしているから、というのもあるが、理事長がこの関係を知らないという事実もある。
B組である彼女にとって彼はとても強く見えた。のだが、実際はやはり人間。とてももろかった。

「学秀君。ありがとう」
「彼女が嫌がるならしないよ」
ギュッと抱きしめる彼は目をつぶって、寝ているようだった。寝るならベットだよと促すと、ここがいいと言う返答が帰ってきた。

「素直だね」
「このまま襲いたいって言う気持ちがあるけどね」
完璧な彼はそう言って彼女にきすをした。だがしかし、明日が学校だからと彩花は浅野の腕の中から出ようとする。嫌だ嫌だと言っているうちに浅野の限界は切れたようでそのままベットに倒した。

「冷静になれば分かることなのに」
「休めば良いよ。明日の分ぐらい僕が教える」
「これも大学生になったら、でしょ?」
「む……結構覚えているんだな」
浅野はパッと手を離し彩花の隣に座り直した。彼は足を組んでお茶を一口含んだ。それはとてもエロく、なんだか誘っているようにも思えた。

「大好きだよ。学秀君」
「そんな言葉が聞けるとは嬉しいよ」





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