きっと君が、野球の神様
――野球の神様に愛されている。
そう言われたことが僕にはあった。
けれども、本当にそうなのであろうか。
中学時代、まともに野球ができなかった僕が?
愛されているわけがない。
剛速球投げるから?
打てるから?
それでも、僕は自分自身が野球の神様に愛されているなんて微塵も
思っていない。
別に、野球の神様に愛されなくたっていい。
だって、僕には……愛してくれている人が居るのだから。
「暁」って、いつも温かい声をかけてくれる彼女。
北海道と東京で遠距離恋愛だけど、
あんまりメールとか電話とか返せないけど……。
それでも、彼女は僕の元から離れなかった。
僕が野球を嫌になっても、そばに居てくれて、
「青道高校」を教えてくれた。
だから、僕にとって、彼女は
―――――野球の『女』神様なんだ。