代打はきっと素敵な

俺は御幸じゃねぇ。だから、ラブレターとかチョコとか言葉とかそういうのは本人にして欲しいものだ。
だが、その願いはそいつらには通じない。御幸にはバカにされるし、イライラする。

「御幸ってカッコイイよねー」
「あぁ? それ、本人に言えよ。きっと喜ぶだろうよ」
「んなっ。言うわけ無いでしょ!」
だよなー、といえばどうしたの、と彩花に笑われた。別に、と返せば思春期かよー、あ、反抗期?と言われたのでイラッとした。

「あのね、私はね、倉持を上手く慰められるような人じゃないの。他の女の子じゃないの。分かる?」
「俺も、御幸じゃねーし」
「そんなの知ってるし! 倉持の代わりなんて居ないんだからね!」
「お前の代打も居ねぇよ」
うわ、倉持が野球部っぽいこと言ったー! と言われた。俺は野球部の一番バッターだっつーの! と言ってやれば、よっ! 倉持選手! と言われた。まぁ、悪い気はしねぇけどな。

でもやっぱり、あいつと比べられるとムカつく。
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