「彩花さん! お疲れ様でしたっ!!
 またおこしてください!!
 リーダー!! また明日っ!」
沢村君が私と哲が帰る直前に言った言葉だ。
私と哲は二人そろって手を振った。


「……今年は凄いメンバーが揃ったね」
哲の隣で私は言った。
哲は、あぁ、と言うだけだった。

「連れてってね。甲子園まで」
私が言うと、哲は約束だと言った。

「あぁー、哲もたくましくなっちゃったなー。
 前まで可愛かったのに」

「彩花は可愛い奴の方が良いのか?」

「そんな事無いよ。
 私は哲みたいな人が好きだもん」

「そうか」
哲はそうやってホッとした表情になる。
私はそんな哲の顔を見て、クスリと笑う。
哲はムッとした顔をしたが、私はそれを見て見ぬふりをする。

「あ、あれ、哲の弟君じゃない?」
私は目の前で友達と帰っている哲の弟君を教える。
哲は、あぁそうだなと、興味を示さない。

「喧嘩したの?」

「いや、していない」

「そうなの?」

「何故だ?」

「……ううん、ただ思っただけ」

「そうか」
哲はそう言って、自分の家とは反対方向の道へ行こうとしている。
私はその哲の足を止めて、大丈夫だよ、と言う。
哲は頭上をハテナマークでいっぱいにしている。

「そこまで心配しなくても大丈夫、
 ココで大丈夫の二つをかけました」
私は言うと、そうかと哲は言う。

「すまない、心配をかけて」

「当たり前だよ。
 だって哲はキャプテンなんだもん。心配になるのはわかる。
 けれど、今年のチームは凄いもん。絶対いけるよ」
私はそう言って、哲の腕から手を離す。

「あぁ、行けるさ」

「あ、いつもの哲にもどった」
なんて哲に向かって言うと、とうの本人は分かっていないらしいく
首をかしげていた。




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