「えー、御幸君のいじわる! ケチ!
 降谷君と喋らせろー!」
「ハッハッハ! 先輩、それは無理なお願いですね。
 これから投げるんで」
「ちくしょー」
友人は降谷君に未だにしがみついたままであった。
本当、早く離れてあげなよ……とか思いながら私は哲と話をしていた。

「降谷君ってさ、無口だよね。
友達とかとたわむれてるっていう絵が想像できない」
「あぁ、あんまりな。
 特定の奴とかとしか一緒に居ない。
 亮介の弟とか沢村と居る時が多いな」
「だよねー。
 哲もそんな感じだよね」
「む、そうか?」
「特定の人としか喋らないじゃん」
「そ……うか?」
哲は私の言葉に悩んでいた。
そこまで悩まなくても……と、私は真剣な哲を見てクスリと笑ってしまった。
隣に居る哲さえも少し微笑んでいた。

「そうだ。
 ……今日は、来てくれてありがとうな」
「え? あぁ……いいんだよ。来たくて来たわけだし。
 一年生と話せてよかったもん」
そうか、と哲が言うと、遠くの方で純が、今日は遅ぇから帰るぞー!と、いう声が聞えてきた。っていうか、そんなに叫んで試合に支障はないのだろうか。
そんな事を考えていると、帰るか、と哲が言う。
私はうん、と頷いて出口に向かった。



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