結果は二点差で勝った。
今回活躍したのは一年ルーキーの降谷君であった。
完投では無いが、剛速球が凄かった。
「あ、彩花。あの降谷君って子、あいてるかな?」
友人はムフフと言いながら、言っていたので私は少し引いた。
友人に腕を引っ張られ、青道のグラウンドの土の上に立つ。
歩くたんびに、選手たちにあいさつされる。
沢村くんには大声で挨拶されたので、二三年のレギュラー陣に見つかってしまった。
素早く監督と話して、素早く帰ろうと思ったのに。
「きゃー! あなたが降谷君?
私、降谷君のファンなのーっ」
「先輩、前まで成宮君じゃなかったでしたっけ?」
「貴子、そこは触れないのっ!
あぁー、可愛いっ! 降谷君、あいてる?」
やめなよ、と私は止めに入る。
降谷君はオロオロとしていた。
「あ、ありがとうございます」
降谷君は私の服の裾をチョコンと掴んで言った。
隣で友人は、何か叫んでいる。どうした。何があった。
「ううん、気を付けてね」
私はそう言うと、降谷君はいつものように、ジーンというオーラが
背中から出ていた。
友達みたいなことしただろうか。
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