「彩花さん、おめでとうございます」
哲が純の所に行くのを見届けると、後ろから御幸がやってきた。

「えへへ、ありがとう。
 御幸のおかげだよ。本当にありがとう」

「いえいえ。
 にしても、彩花さん、あんなに哲さんと付き合いたいとか言っておきながら
 哲さんの告白を断るだなんて……。
 ちょっと意外でした」

「ちょっと考えてみてね。
 ほら、今年で哲たちは最後でしょう? だから、邪魔したら絶対いけないって思って。
 この前までは自分の事しか考えてなかったから」

「そーッスか」
御幸はそう言って、フゥと息をはいた。
そして、少し笑っていた。なに? と聞いた。

「いや、なんつーか。
 俺ってよく考えたら恋のキューピットじゃね? って思いまして」
ハハと笑う御幸。
なにを期待しているんだ。紹介する女の子は居ないぞ。

「まぁ、そーだね。
 御幸は恋のキューピットだね」

「なんスか? その薄い反応。
 この俺が彩花さんと哲さんの恋のキューピットッスよ?」

「長続きしそう」

「長続きしますよ」
御幸は自信満々に言った。
そういうのは、本人たちがいうものではないのか?


「哲さんを支えて下さいね」

「それ、亮介にも言われた」
私は笑いながら言うと、そーッスか、と言う御幸。
そんな話をしていると、正面から御幸一也!!と言う声が聞こえた。
あ、呼ばれた、なんて御幸はのんきに言うと、ニヤニヤと笑いながら
その声のした方へ歩いて行った。
声の主は沢村君のようだ。めっちゃ手振っているし。





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