「純、そわそわしてどうしたの?」
先ほどから、私が何かを喋ると辺りをきょろきょろと見回す純。
私が言うとえっと焦る純。


「顔にですぎだよ。
 スピッツ先輩」

「なっ!!! 誰がスピッツ先輩なんスかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「フフ、純が吠えたー」
良かった、いつもの純だ。


「純、私になんかいらない遠慮でもしてるの?」

「そんな事ないッスよ」
嘘、目泳いでるし。
嘘つくの下手だよ、本当。


「何かあった?」

「何も無いっすって!!」
純はそう言うと、近くに居る亮介の所まで走った。
犬並に速いなぁ。あ、でも、倉持の方が速いか。


「ん? 亮介を連れてきたの?」
純の後ろには亮介が居る。
なんかイライラしているようだが……。


「純、早く」

「え、俺が!?」

「は、や、くっ」

「あの……哲となんかあったんスか!!!」
純は大声で言う。
だから、周りに居た下級生たちが驚いていた。
何をやっているんだ!


「哲? 哲と……っ。
 な、にもなかったよ」
昨日の帰り道の話か。
なんか哲言ってたのかな。


「哲がどうかしたの?」

「あのですね……哲が今日、元気なくって。
 どーかしたのかなーと」
あぁ、だから純はそわそわしていたのか。
っていうか、あの鈍感天然哲が元気をなくすとは……。


「彩花さん。哲にいう事、あるんじゃないんですか?」
亮介は言う。
本当、亮介は怖い。


「そうだ、ね。
 ありがと、二人とも」




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