「お荷物になんかならない。
 彩花はいつも陰で見守ってくれた……それがお荷物とでも言うのか」

「違うの。哲と……(仮)の関係じゃなくなっちゃったら、
 きっと私、わがままになっちゃうと思うの。
 だから、ごめんなさい」
彩花はそう言うと、走って先に帰ってしまった。


「……っ」
口下手な俺には、無理か。
結城は一人、うつむきながら歩いた。



*



「哲さん、どうっすかね」
御幸は五号室で言った。

「知らねぇよ。
 まぁ、テツの事だどうせうまくやるだろ」

「そうは限らないよ。
 口下手だからね、テツは」
伊佐敷の言葉に否定をした小湊。



「ちょっと、お兄さん!
 キャプテンの成功を期待しないんですか!」
五号室で唯一居る一年の沢村が言った。
他の二名の一年は、買い出しに行っている。


「うるせぇよ!」
隣に居た倉持が蹴りを一発いれる。


「すみません、買ってきました」
五号室の扉が開いた。
そこには、降谷と小湊弟が居る。


「よーし、降谷ぁ!
 マッサージしろ」

「……頑張ります」

「何がだ!」




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