「お邪魔します」

「どうぞ、どうぞー!!
 汚いですがどうぞ!!」

今現在、沢村の住む寮に来ている。
入るとそこには、倉持と増子が居た。


「うわー! 透、久しぶり!
 元気だった? サードしっかりやってる?」

「お久しぶりです、彩花さん。
 おかげさまでやっています」

「そっか、そっかー!
 あ、今度プリン持ってくるね。また試食宜しく」

「喜んで」
増子と彩花は、微笑ましい雰囲気を作っていた。


「……で、彩花さんどうして来たんスか?」

「ちょっと、倉持ぃ。
 それ、私が邪魔って事?」

「いや、そういう事じゃなくて……
 あの人、待ってるんじゃないんですか?」

「……あ」

「怒られるの俺らなんで、お願いしますよ。
 いや、居ていいんですけど……」
倉持はオブラートに包もうと努力していた。


「あぁ、倉持可愛いな、ちくしょうっ
 マジ弟に欲しいっ」
彩花はウフフと笑いながら言った。


「ちょ、止めて下さいよ……」

「あ、照れてる!」

「沢村っ!」
倉持は照れながら沢村に蹴りをいれていた。
いやぁ、ますます弟に欲しくなってしまっよ。


「……で、何を話せば良いのかな?」


「あぁ、話は良いんで。
 取りあえずゲームしましょう!」

「え?」
彩花は言う。


「あぁ、すみません。
 騙すつもりは無かったんですけれど……。
 栄純君がどうしてもって……」
小湊弟は申し訳なさそうに言った。


「良いよ、全然。
 ……でも」
彩花はそう言いながら、ゲーム機をOFFにした。
パチッと消える。


「まだ外、明るいよ?」
彩花は笑顔で言った。
部屋を見回すと、増子が居なくなっていた。



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