「というわけで、私は御幸のおかげで
 付き合えたってわけ」
彩花はワーッと手をたたきながら言った。


「御幸一也、あなどれないですね!!」

「なんか良いですね」
沢村と小湊弟が言った。
降谷は頬を紅く染めてコクコクと頷いていた。


「でも、仮なんだけどね」

「え?」
彩花の一言に、三人は反応した。


「な、仮って……
 はっ!! まさか、浮気とかですか!?」

「沢村君……だよね、うるさい」

「!! 名前を覚えてくださいましたか!!
 嬉しい限りです、ありがとうございますっ!!!」
沢村は嬉しそうに笑っていった。


「あはは、栄純君嬉しそうだね」

「春っち、羨ましいかー!
 そうだろう、羨ましいだろう!」
沢村はワイワイと一人で騒いでいた。


「沢村、うっせーよ」
嬉しそうな沢村にタイキックをいれる倉持。
その後ろにニヤついている御幸の姿があった。

「その元気、練習につかえよ、沢村」

「なっ!!
 御幸一也……」

「栄純君! 敬語」
小湊弟が沢村に言う。
あっという間に沢村の周りは人が集まっていた。

彩花も入ろうと思ったが、目に留まったものがあった。

「入りずらいの?
 あの輪の中に」

「あ、いや……まぁ」

「良いね降谷君。
 女の子にモテるでしょ?」

「そんな事ないです」

「そうなの?」
彩花は笑いながら言った。


「そういえば、降谷君。
 北海道から来たんでしょ? 体調管理しっかりしてね。
 東京と北海道の夏はカクが違うから、暑いよー」

「分かりました」
降谷は素直に言った。


「御幸も楽しいだろうね。
 こんなに性格の違う投手が揃っているんだもん」

「?」

「あ、いいの。こっちの話」
彩花は言った。



「あぁーー!!
 降谷! キャプテンの彼女に何やってんだーー!!」
沢村がタッタと二人の方に駆けながら言った。


「何もしてないよ」
降谷は言った。


「キャプテンに言ったら練習量倍だぞ!!」

「沢村君、大丈夫だよ。
 私が降谷君に話しかけちゃったから。
 倍になるのは私の方かな」

「そ、そんな事ないッスよ!!
 だとしたら私がその倍になったものを、こなしてみせます!!」


「お、頼もしい投手だこと」


「僕もやれます」


「はりあわなくて良いからね?」
彩花は言った。


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