「え、なに?
 作戦会議? じれったい?
 よく意味が分からないんだけど……」
私は頭の中が混乱していた。


「まぁ、簡単に言いますと……。
 彩花さんは、『恋』はしたことはあるが『本当の恋』はしたことない!
 という事ですよ」

「御幸君、ますます分からないんだけど……」

「じゃあ、具体的に説明しますよ」
御幸はそう言いながら、一冊の本を出す。
見た感じ少女漫画なようだ。


「彩花さん、こういうの読んだことありますか?」

「あぁ、まぁ……。
 姉に借りてちょっとだけ」

「え、いつも純さんに貸している本は?」

「姉のだよ」
私は言った。


「じゃあ、いつも読む本は?」

「……推理小説か、野球の本……かな」
私は悩みながら言った。


「それですよ、彩花さん。
 とにかく、純さんや彩花さんのお姉さんに少女漫画借りて読んでください。
 話はその後です。」

「えぇー。
 御幸君、作戦会議は?」

「少女漫画を読んだことのない人に分からない話がたくさんありますから」
じゃ、さいならー。と、御幸は言いながら教室に入って行った。


「……少女漫画かぁ」
廊下を歩きつぶやいた私であった。




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