AM 2:48

「っ!!」
汗をたっぷりとかいている私は、
さっきまで寝ていた。
今日……いや、昨日は買い物を沢山していっぱい歩いたから
体がついていかなかったのであろう。

また、この前の夢を見てしまった。
何回見ても誰か分からなかった。
誰なんだ、あなたは。



「水のも」
私は体を起こして、しょぼしょぼとした目をこすった。
これから寝るという事もできなかったので、リビングでテレビでも見るかと思っていた。


廊下に出れば、シンと静かであった。



*



「あ、暁」
リビングに入れば、光が付いていなかったので
つけてみると、暁が居た。


「? 彩花……。
 眠れない?」

「うん、ちょっとね。
 変な夢見ちゃって」
私は言った。


「ふーん」

「暁はどうしたの?」

「眠れない。
 体力がありすぎて……」

「なるほど」
私は言うと、椅子に座った。
前の机にジュースを置く。



「彩花はどう思う?」

「何が?」

「親の事」
暁は言った。


「え、暁……何か不満でもあるの?」

「いや……。
 まぁ、母さんの事忘れたのかなって。
 あんなに暗かった父さんが、急に明るくなって。
 そうかと思えば、再婚するって」
私と同じだった。
暁もやっぱり、そういうこと思ってたんだ。


「そっか。
 でもね、そうじゃないんだって。
 暁、言ってたじゃん。前を向かなきゃいけないって」

「あれは……野球の事しか頭になかったから。
 野球やらなくなって、考えてみたら……こうなった」
暁はちょっとため息をついた。



「……あ、そうだ。
 暁、まだ起きてられる?」

「うん」

「じゃあ、30分くらい待ってて」
私はそういうと、リビングに駆けこんだ。


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