PM 4:08

「よーし練習やるぞー! おい、雅功―!!」
「待ってください。アップをしてからです」
「えぇーケチ――!」
あ、金森さんと原田さんの声だ。あれ、今何時? うわ。もう4時じゃん!! 私は腕時計を確認して立ち上がった。ボール磨きに半日を費やしてしまった。もっとやりたい事あったのに。
私は後悔しながらも残り数個のボールも磨き終える。そして、倉庫にしまい、次の指令を聞きに監督の所へ向かった。

「あ、彩花ー! 仕事終わったー?」
「あ、金森さん……」
「嫌そうな顔だな!」
もっと可愛い顔できないわけー? と言われた。ブスですみませんね。と私は言おうとした口を閉じた。いや、閉じろと言う視線を感じた。

「まぁ、いいや! ほら、雅功! ブルペン」
「はいはい」
「はいは一回!」
先輩面してるなーと私は内心思いながらも、ぺこりと頭を下げて監督の元へ向かった。だーかーら! 雅功はダメなんだよ!! と言う声に対し、何がですか!? と原田さんが対抗する声が聞えて来た。
笑いをこらえるのに必死な私であった。


*


「タオル多すぎでしょ……」
私はぼそりと呟く。グオングオンと部屋中に響くその音。その音を消すように蓋を閉じた。あぁ、なんだろう、今頃ホームシックになっちゃったのかな。なんか寂しい。でも、そんな甘っちょろい事も言ってられないから、顔をパチンと叩く。結構痛かった。






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