今日は監督さんから練習試合だという事でお誘いという物をいただいた。どういう風の吹き回しなんだろうと私は疑問に思いながら、少しばかりおしゃれをして学校へと向かった。
少し歩いただけで、じんわりと滲む首周りのその汗をタオルで拭き取りながら目的地へと進む。ついた頃には、もう、周りには人が集まっていた。
そして突然、その大勢の人の中から聞いたことのあるような声が聞こえて来た。私は呼ばれたような気がして、後ろを振り返った。
そこには、一年生三人組が居た。笑顔でこちらに手を振っている。

「あっ! 大谷先生! 今日はお洒落さんッスね!!」
3人の中で一番元気のいい沢村君がニコニコとした可愛らしい笑顔を向けながら言った。私はついつい嬉しくなっちゃって、ありがとうと言った。
隣の春市君も同意と言わんばかりに頷いてくれた。この子は、三年生にお兄さんが居ると聞いたから呼び方は春市君となっている。ので、これは浮気とかそう言うものではない! 断じて!

「先生も短いスカート穿くんですね」
何も恥じらいなしに言う降谷君に対して、春市君は、そう言う事はもっと笑顔で言わないと、と指摘しつつ私に頭を下げた。(全然気にもしなかったから、即頭を上げさせた。)そう言えば、と私はいまさらながら自分の服装を気にしだした。特に気にもしなく私は、ふんわりとした淡い色のTシャツに膝したまでのスカート、靴は少し厚みのあるあみこみのショートブーツを履いていた。

「御幸の好み通りッスね!!」
沢村君のどことない言葉に私はブワッと体中に電気が走った。私の顔が何かを語ったのか、春市君は意味ありげな笑みをうかべて沢村君と降谷君の腕を引っ張って、失礼します、と笑顔で言われ、一也の居場所と打順まで聞かされた。うわ、バレテると焦り出したのは言うまでもなく、春市君に目でそのことを訴えた。
それに反応した春市君は敬礼をした。どことなくそれは私を安心させてくれた。





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