「好きなタイプ?」
大学の同級生に突然言われた。私は適当に、優しい人、と言った。そしたら、友人はつまんなーい、とムスッとした顔で言った。正直に答えてつまんないはどうかと思う。

「そういうあんたは?」
「ふふふ、私のタイプが知りたいのならば、今日、これに来なさい!!」
そう言って私に自分の携帯の画面を見せた。そこには、『合コン』の三文字があった。
その文字を見た瞬間、私はその場所に足を運ぶことが決定されていたのを、私はまだ知らなかった。

「嫌だよ、レポート終わってないし」
「そーいわずにさ、あ、ほら、頭のいい彼ができるかもよ?」
「別に……」
「もぉ、ツンデレなんだからぁ」
「……行かない」
私がそう言っても、そいつは聞きもしなかった。
畜生。彼氏の単語はあんまり聞きたくないのに。
でも、大学生だし、そういうの考えないといけないのかな。

「興味わいてきた?」
「んなわけ」
ちょっとドキッとしたのは秘密で。


*


「彩花ちゃん、家どこ?」
「え、あぁ……この道を真っ直ぐです」
「はは、でもココ土手だよね? 家どこなの?」
くっ、こいつ、しつこいな。
私は友人の合コンの付き添いで来ていたのだが、何か、この人とは話が合ったのだ。
この人も友人の付き添いで来ていたようだ。良い迷惑だと話していたら、帰ろうという話にたどり着き、こういう形になった。
正直、面倒だ。

「あ、彩花……さん」
「一也君……あ、お疲れ様」
「隣の人、彼氏?」
そう言って隣に居る彼を指さす。私は、即否定をした。
一也君はふーんと、言いながら自転車にまたぐ。送るよ、と一言言われた。
でも、私は隣の彼を気にする。彼は、ポカーンとしている。状況が把握できていないようだ。それは私も一緒だ。

「ほら、早く。あ、ココまでお疲れ様っした、帰って良いっすよ」
一也君はそう言って、私を無理やり自転車の後ろに乗せてこいで行った。
私はそこまでの記憶が曖昧だった。



prev * next


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -