「時間だ」
「はい、了解です!」
私は敬礼をする勢いを殺して、立ち上がった。
次は私の担当の現国。つまり、授業という事だ。見させていただくことになっている。
その先生というのは片岡先生。基、野球部の監督さんである。

「言っておくが、プライベートと授業の区別はしておけ」
「え?……あっ、勿論でございます!」
一瞬ひるんでしまったが、その言葉の意味はすぐに分かった。

「まぁ、あいつがどう思ってるか分からないけどな」
「……監督さんは分かっていたんですか?」
「当然だ」
あいつの顔が緩んでいるからな、と顔色一つ変えずに言われた。
私には分からなかったのに。
そんな気持ちを消そうと、私は、他の事を考える。今回の授業のことだ。そんなことをちょっとだけ考えて歩いていたら、もう着いた。
よし、頑張るか!


*


「今日、彩花ちゃんの授業かなー」
「何歳なんだろー」
「彼氏いるのかなー」
そんな声が俺の耳に入る。
お答えしよう。
今日は監督の授業で、今年で22歳、彼氏は俺だ。
まぁ、そう言う事も言えずに俺は、一人黙々と野球のことを考える。
倉持はなんか他の奴と喋ってる。あいつ、友達いたんだな。

まぁ、そんなことをどうでもいい。
今は、彩花だ。
本当、誰がいつ見てるかわかりゃしねぇし、五歳も年が離れてるから子供扱いされるし。
たまったもんじゃねぇけど、それでもやっぱり好きだし、一生側に居たいのだ。(こんな事、本人の前じゃ言いにくいけど)






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