亮さんは一から教えてくれた。
先輩方が俺の馴染めなさに驚きが隠せなかったようだ。しかたない、それが事実だ。
だからこの曲にしたのだ、と亮さんは言った。
馴染めなさになぜ狙い撃ちが出てくるのだろうか。
いや、他にもあるらしいが、その一つがこれらしい。

その馴染めなさを打破してもらうために、会話の内容として狙い撃ち、だそうだ。
ヒッティングマーチを会話にする人はあまりいないと思う。
居たとしても、それは、すぐに終わってしまう会話の内容なのではないか。と俺は少し疑問に思った。
後から聴くと、これは哲さんが考案したもののようだ。
哲さん、嬉しいっすけどちょっとなぁ。

「純も一応は考えているんだよ?」
「え、純さんもっすか?」
「御幸の馴染めなさに腹が立ったらしくてね」
「いや、意味が分からないんスけど」
ごめんごめん、と亮さんは面白そうに笑っていた。全然こっちは面白くもなんともないんスけどね。
でも、純さんの言いたいことは少しわかった。
前に、純さんに部屋に来い、と呼び出しを食らったことがあった。
俺はそのことすっかり忘れていて、その日は部屋でスコアを見ていたのだ。
そしたら、あちらから出迎えが来て、そのままその部屋で遊ばれた。
その後俺は、ぐったりしちまったのを覚えている。

「純もね素直じゃないし、照れてるんだよ」
「乙女っすね」
「実際少女漫画読んでるからしかたないんじゃない?」
あ、増子からのもあるんだよね、と今更ながら思い出したかのように言った。
増子さんは、強打者、ということだそうだ。いや、その一言? と思ったのだが、なんか、まぁ、そういうことなのだろう。




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