久しぶりに野球が無かった。せっかくの休日だが、俺には生憎、それをつぶせるような友達は持っていなかった。鳴も休みだったらしいが、予定があったらしく顔をあわせられないようだ。誘った俺よりも悔しがっていた。
誘ってくれた御礼とかなんとか言って、鳴は変な提案をしてきた。
その提案に俺は乗った。
よく分からなかったけど、まぁ、楽しそうだし。

「どうも、彩花さん」
「あれ、一也君一人?」
そう、提案というのは彩花さんとどこかへ行くであった。凄く緊張する。
鳴の奴、何考えてっか分かんねぇよ。

「あの、鳴がここに来てみろって言われて」
「えぇ、私聞いてないよーもー。あ、中どうぞ」
すんません、と心の底から思った。鳴の奴、本当迷惑かけすぎだろ。

お茶を貰って、俺はゆっくりしていた。いやでも、緊張はしている。
そりゃそうだ。心臓がめちゃくちゃバクバクいってる。
ハハ、頼むから止まってくれ。

「えーっと、どこ行こうか」
「え?」
「いや、だって、そのために来てくれたんでしょう? 鳴が何を考えているか分からないけど」
私も暇だったし、と笑ってくれた。突然来たのに、こんな普通に接してくれた。うわー、大人だ。

「んー。バッティングセンター行く?」
「いや、彩花さんが行きたいところで」
「大人だねー」
クスクスと笑いながら言っていた。何がそんなにおかしいのだろうか。
そんな事を俺が考えているうちに行く場所は決まったようだ。早速行こうという段階まで急激に上がった。




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