あれから、何年か経った。
その何年かに私は一也君と沢山の思い出を作った。鳴を通じて、メアドも交換した。
別に、深い意味はない。ただ、年下の子のメアドを持っているだけだ。

でも、彼は違かったみたいだ。

「好きなんです」
中学校の卒業式を終えた彼は、私の家まで来てそう告げた。
なんというか突然すぎて頭がついていけなかった。

「ダメっすか?」
「中学生相手って……良いの?」
「高校生っすけど……」
機嫌をそこねてしまった。鳴みたいだなぁ、と思いながら私は家に上がらせた。
なんか、こういう光景をお隣さんとかに見られたらどんなことを想われるかだなんて分かっていたからだ。

「いや、良いっす。俺これでも男なんで」
笑って言われたが、その笑みは冷たかった。背筋がゾッとした。
簡単に言えば、怖かった。まだ中学生の彼相手に恐怖を覚えた。

「返事、待ってます」
「あ、待って! 今、言う」
私がそう言えば、一也君は、はい、と一言言う。
返事は決まっていた。

今では後悔はしていない。




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