教室に入るなり、わっと歓声が沸き上がった。
だが、すぐそれは止まった。たぶん、監督さんを見たからだろう。監督さんは、何も言わずに授業を進めた。私は後ろで勉強を始める。
そして、分からない事がある子には私が教えに行くと言うシステムだ。
経験したほうが早いと言う監督の意見である。ごもっともだ。

「せんせー」
聞いたことのある声。いや、随分前から聞いていた声が教室に響き渡る。その声を聞いてもなお、監督さんは授業をすすめる。私は監督さんの了解を態度で得て、その子の元へ行った。

「何かな?」
「全部分からないです」
イケメンスマイルとでも言うのであろうその顔。
嘘だろ、メガネ。と、ノートに書き込み私はスマイルをかました。
そしたらメガネは、なるほどー、と棒読みであった。


「先生俺も分からないッス」
「あ、倉持君は俺が教えるんであっちの女子の所に行ってあげて下さい」
メガネはそう言って笑った。倉持君はメガネをにらんでいる。
まぁ、元ヤンも私とメガネの関係を知っている人物なわけだが。


「倉持、分からないなら俺が教えてやるぞ」
「え、あ、いや、あ! 分かりましたー。ヒャハハ、さすが御幸ー」
さすが、監督さんと言ったところだろう。
メガネは元ヤンに向かって余裕の笑みをうかべている。

あ、次の子の所に行かないと。


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